積読日記

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『交響詩篇エウレカセブン』第2話「ブルー・スカイ・フィッシュ」

アマゾンにDVD第1巻の画像が上がってきてるので、とりあえず載っけときましょう。

交響詩篇エウレカセブン 1 [DVD]

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 既に方々で指摘されていることで今更だが、『エヴァ』第2話と同じ演出構造を持っていたこの第2話。パクリ云々というより意図的なリスペクトと解釈すべきだろう。
 ということは、逆に「どこを変えてきたか?」がここでは重要になる。
 そしてそれはやはり主人公の人生に対するポジティブさとそれを支えるベーシックな部分での家族の愛情の存在だろう。父と姉の遺した言葉「ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん」、そしてあれだけ反発しあっていた祖父の主人公へ掛ける優しいまなざし。……。だからこそ第2話にして主人公が「I can fky!」の一言にたどり着いて、機動兵器どうしの空中戦に生身で飛び込んでいけるわけだ。
 『エヴァ』の場合はそこがまるっきりぶっ壊れていることがスタート地点だったので、それを誠実に追求してゆけば、まぁ、そりゃあ、ああいうきっついことになるわなぁ、というのが10年目にしての総括なのだけど、「それとは違う場所を目指しますよ」という主張を明確に打ち出されたのがこのエピソードと言えなくもない。*1
 『エヴァ』の話はそのくらいにして、上でも触れたミサイルの飛び交う空中戦にボード一枚で主人公が飛び込んでゆくシークエンスや、戦闘中に「君が好きだ!」と(鼻水たらしながら(笑))告白するくだりだとか、気持ちよく素直に楽しめた。
 プロデューサーの談話だと、これから宗教や戦争など、かなり重いテーマを持ち込むつもりらしいのだけど、このポジティブさで1年間乗り切って欲しいよね。

*1:エヴァ』で問題定義された課題は今に至るも別に解決も決着も付いてはいないのだけど、『エヴァ』の影響下にあるクリエイター達によってあらゆるメディアでさんざん語られているので、「現代(いま)の14歳」にそんなもの観せてもしょうがないという気持ちは実によく判る。