『週刊少年サンデー』29号
福地翼『うえきの法則+』
『+』になってから顕著なのだが、この作品は目で芝居を魅せるようになってきている。
やってることは非常にオーソドックスな少年マンガで、今回の話も主人公が特殊能力に覚醒する回としてさほど特殊なことをやっているわけではないのだが、それだけにこの目の力が活きてくるのよね。
雷句誠『金色のガッシュ!!』
……いや、何つーか、連載史上最凶最悪のシチエーションでカタストロフが進行中であり、清麿が脳髄を振り絞って危機脱出の一手を繰り出し続ける、まさに手に汗握る展開でありながら、派手な見開きを使って「実は泳げたファウード」がざばーんと海面から飛び出すというこのシーンに、もはや笑うべきなのか恐怖すべきなのか、いずれにせよ何やら得たいの知れない陶然とした夢見心地な境地に連れ去られ、あるいはこれこそ少年マンガを単行本ではなく連載で読む最大の快楽ではないかなどと感じつつ、薄れゆく意識の中で、そーいやアニメでは本当に日曜の朝っぱらから恵に「テ●ンコ」を連呼させるのであろうかと遠く日本の放送倫理の在り方へ想いを馳せたりする回だった。(よく判らん)
あだち充『クロス・ゲーム』
ようやく主人公の中に野球へ向かうきっかけが芽生えた回。ここまで7話も掛けてる。しかも恐らく「本当のモチベーション」は、これから始まる「小5の夏」を経て初めて主人公の心に宿る展開になるのではと見られる。
で、勿論、あだち充なのだからして、本当の本番は「甲子園」である筈だ。
世の中には、10週で打ち切られるマンガ家もいるのに。
それを思えば、老舗の造り酒屋みたいな贅沢な話というか。
畑健二郎『ハヤテのごとく』
祝2巻発売。
今度はいっぱい刷ってもらえたみたいでよかったね。
勿論、買ってはいるのだけど、今日は連載の方の話。
またしても斜め上をゆく論理展開で会話を進めるお嬢さんが登場し、とりあえずフラグを立ててしまうハヤテ(笑)。
弁当ひとつ届けるまでに、この調子で何本のフラグを立てるつもりなのだろうか。
つーか、それまでに何週消化するつもりなのかという話であり、マリアさんの影がまたしても薄くなり、単行本の巻末でさめざめと泣くのかという話なのだが。