積読日記

新旧東西マイナー/メジャーの区別のない映画レビューと同人小説のブログ

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『月刊サンデーGX』7月号

総評

 この7月2日に迫った映画『逆境ナイン』の公開直前ということで、2重の特製表紙のカラーから始まって、後で触れる『逆境ナイン特別編』にあだち充との対談などなど、雑誌を上げての全面バックアップ。
 んで、付録は近頃流行りの『逆境ナイン』第6巻用の描き下ろし特製コミックスカバー。
 ……まぁ、下手にフィギュアだのクリアファイルだのが付いてくるより、面倒は少ないんだが、コミックスを買わない客にはあまり有難みがないんだよね。(雑誌の付録なんてものは、大概そんなものではあるが)。
 そんなことより、来月はいよいよ荒川弘の読みきり掲載ですよ。
 巻末の来月予告を見ると眼鏡っ娘にフランケン系キャラと、今から本当に楽しみ。
 ──あ、今月CLAMP休載だったんだ。真剣に今の今まで気付かなかった。orz

島本和彦×藤田和日朗『逆境ナイン 特別編』

逆境ナイン 6 (小学館プラスワン・コミックシリーズ)
 反則だろう。反則だよな。いくら実写映画化記念とはいえ、それもいくら親友の作家だからと言え、週刊誌連載の看板作家をつれてきて合作! しかも50ページ!
 信じられん。反則には違いないが、島本和彦以外の作家には絶対に真似のできない反則技だ。
 内容がまた、自動人形(オートマータ)を率いる「面目なし(メンモクレス)」が全力学園野球部を乗っ取り、愛を求めて甲子園を目指すという話で、ある意味、パロネタの『からくりサーカス』の本質に迫りかねないところまで踏み込んでくるとんでもない内容だった。
 続く『新吼えろペン 特別編』と併せて、完全にこの号のすべてをかっ攫っていったな。

広江礼威BLACK LAGOON

BLACK LAGOON 3 (サンデーGXコミックス)
 ネット上では既に流布されているニュースではあるが、TVアニメ化が正式告知。……って、マジで「TV」なの? まぁ、U局かWOWOWか、はたまたAT-Xオンリーか。
 少なくとも「Uボート編」はやるみたいだけど、あの屍山血河とどす黒く煤けたエピソードの数々を、どうTVプログラム化するのか、お手並み拝見といったところか。

 本編は「仁義の渡世編(ウソ)」のラス前で、ロックが肚を括るエピソード。いずれ苦く胃にもたれる落ちになりそうな気もするのだが、その前にロックがこの絶望的な状況にどう一石を投じることが出来るかが見所になりそう。

広江礼威『ヘタレの地平線』

翡翠峡奇譚 1 (1)
 広江礼威と担当編集が焼肉をつつきながらヘタレなオタク談義をする文字企画。そーいや、何気に連載化しとるな。
 しかし、今回、ひと言言わねばならないのは、本企画中の『セックスフレンド』をやっての広井礼威の発言である。
 バカ者! 作中でヒロインの美奈が「身体だけの関係だから」って繰り返すのは、お前、本気の恋愛に嵌まって傷つくことに怯える健気な乙女心に決まっておろうが! これもまたひとつのツンデレではないか。
 そんな美奈たんには、こう後ろからぎゅっと抱きしめてあげてだな──あ、何だ、何で俺の腕を……離せ、これから俺と美奈たんの真実の愛についてあdかZ[(断線)

新連載:大島永遠『メルカノ』

女子高生 (2) (双葉文庫―名作シリーズ)
 『女子高生』で名を売った大島永遠がGXで新連載。
 というより、『バツ&テリー 1 (KCスペシャル)』の大島やすいちの娘という方が個人的には先にくるのだが。まぁ、『おやこ刑事 1 (少年サンデーコミックス)』でもいいけど。
 親の話はともかく、彼女にはちょっとHなライトコメディを描かせると、とりあえず外れは少ないという印象がある。逆に、そこでイメージが固まって小さくまとまりつつある感もあるのだよね。
 GX編集部からの発注も基本線としてはその路線に沿っているらしく、お色気シーンもさっそく有りの手堅いラブコメ作品となった。
 恋人のツテで「別れさせ屋」のバイトを始めた主人公が、最初のターゲットとなった女子大生についつい本気になって……という展開から、女子大生の正体と依頼の真相、最後のどんでん返しまで、良い意味でウェルメイドな仕上がり。
 短編としてはきれいにまとまった感があるが、連載第1回目としてはまとまりすぎな気もしないではない。ここから先、どう話を広げてゆくのか、こちらもまたお手並み拝見といったところ。
 それはそうと、今回の落ちを読んでてふと思ったのだが、男と女が互いに恋愛の主導権を握ろうと知能を振り絞ってコンゲームを繰り広げるような、緊張感溢れるラブコメなんてのはどうだろうか。そんな話を前々から読んでみたいと思っていたのだが、この作品はそっちの方へ向かってくれないかなぁ。