『月刊サンデーGX』8月号
総評
付録はアニメ化企画進行中に4巻刊行記念ということで、『ブラック・ラグーン』のコミックス・カバーなのだが……わはは。いや、ここまでやってくれれば文句はないわ。さすがに袋綴じ企画のネタバレはできないので、各自今月号を購入して衝撃を受けてください。
ところで大島永遠が載ってないのだけど、本連載は来月からだそうで――って、シリーズ連載?
そういう話だったっけな?
荒川弘『RAIDEN-18』
納涼屍体祭り(爆)。
だってお盆も近いことだし――って、おい!
小学館が漫画賞まで与えて三顧の礼をもって迎えた第1作がこれか?(笑)
……あ〜、でもGX編集部は大喜びだろうなぁ。たぶん連中の一番おいしいツボを押してしまったのではなかろうか。
ちなみに自分にもツボでしたが。
作風としては『鋼の錬金術師』連載開始前の短編を更にスラップスティックに弾けさせたような感じ。「死」を弄ぶがごとき世界観ではあるが、『GX』辺りのちょっと通ぶってる読者層なら、このくらいの洒落はわかってくれるという絶妙な読みが小憎らしい。
もっとも、彼女の場合、デビュー作から終始一貫して「死」と「生命」を巡る物語を描き続けているので、『GX』での顔見世興行としては悪くない題材だったと思う。
まぁ、全編、ノリノリで描いているのが伝わってきたし、『鋼の錬金術師』連載の気分転換にはちょうど良かったのでは。
え? 劇場版『鋼の錬金術師』の宣材原稿やら、『ガンガン』本誌の大増ページやらで地獄の進行で気分転換どころじゃなかったって?
……知らんがな、そこまで。
広江礼威『BLACK LAGOON』
アニメ版のキャラデザ(顔のみ)が初公開。脚本家のインタビューまで載っていて、いやぁ、手の込んだドッキリだなぁ……って、やっぱりやるんか。
脚本家の発言によると、内面描写を掘り下げる方向に向かいそうだが、さてどうなるか。
個人的にはアニメを観た米国のプロデューサーが、毎回、観終わったら胃に穴が開きそうなどす黒い後味を残すTVドラマ化してくれれば文句はないのだけど(やなドラマだな)。
本編の方は「仁義の渡世編」(だから違うって)の最終局面に向かって、「ホテル・モスクワ」側の戦略環境整理。決着まであと2回くらいかな。
ロックのパラライカへの頼みごとは、それだけの犠牲の果てに日常に帰還することをお嬢が認める得るかということに掛かってくるわけなのだが……うーむ。