積読日記

新旧東西マイナー/メジャーの区別のない映画レビューと同人小説のブログ

■Twitter               ■Twilog

■小説を読もう!           ■BOOTH:物語工房
 
各種印刷・製本・CDプレス POPLS

自衛隊のV計画について

■GIZMODO
http://www.gizmodo.jp/2007/11/post_2547.html

 そんなわけで、技研のガンダム開発計画なんですが、案の定、歩兵の先進個人装備関連のお話でした。
 倍力(パワーアシスト)機能辺りまでやってくるかなとも思ったんですが、そこまで行かなかったか。
 例の筑波大学の教授が開発したパワーアシストスーツは民生利用しか許可しないって話なので、そのものずばりは使えなかったのか。

 歩兵装備の先進化にはいくつかポイントがあって、それはだいたい以下のような要素だと考えられる。

1.倍力機能 
 上記のパワーアシストスーツのようなもの。
 重い装甲板や重火器を持ったり、工兵作業時の支援などに利用される。
 稼働時間がバッテリー容量に左右されるとか、熱の問題をどうするんだとか、格闘戦時の運動性などの課題がある。

2.防弾耐火機能
 要するに歩兵の生存性向上のための機能。
 技研の「ガンダム」でも、5.56ミリくらいの小口径高初速ライフル弾くらいの直撃に耐えられるくらいの装備を目標としているらしい。そこまでいかなくとも、手榴弾や榴散弾の破片を防ぐだけでも、歩兵の生命や戦闘能力を維持することができる。
 とはいうものの、それ自体があまり重くなっても始まらないし、熱や汗がこもるようだとやはり長時間の装備が難しい。従って、さまざまな新素材の開発が行われているのだが、上で挙げた倍力機能があると重量の問題がある程度解決する。

3.個人装備のデジタル化
 技研のモデルでも導入されていたが、暗視装置やライフルのスコープ画像をHMD(ヘッドマウントディスプレイ)に投影したり、隊内通信なんかに利用。

4.ネットワーク化
 米軍なんかでもう導入されているが、前線の歩兵と後方のサーバを介して軍全体で情報を共有するシステム。
 衛星情報やHUMINT(ヒュミント)情報、砲兵や空爆の要請や標的指示、軍上層部と直結した指揮命令系統の確保などから、歩兵自身が見ている前線映像や体温や脈拍などの生体情報の転送、GPSでの位置確認なんかも入るかな。
 この辺りになると、歩兵側の装備だけでなく、後方でどんなネットワークを組織し、必要なDBなどのソリューションをどう構築してゆくかという課題になる。
 
 もう少し整理すると、「生存性向上」と「デジタル・ネットワーク端末化」という辺りになるかな。
 ネットワーク化まで視野に入れると、軍全体の指揮命令系統の整備まで話は広がるので、金と時間はかなり掛かると覚悟する必要はある。
 特に指揮命令系統の話は揉めるんだよなぁ。意思決定のポイントをどこに置くのかってのは、組織をまるごと作り変えるようなものだから。
 だから、今回の「ガンダム開発計画」は実は意外と大きな課題を孕んだお話ではあるのですよ。
 
 あと、関連して下記の書籍を推奨しておきます。

戦うコンピュータ―軍事分野で進行中のIT革命とRMA

戦うコンピュータ―軍事分野で進行中のIT革命とRMA

軍事革命(RMA)―“情報”が戦争を変える (中公新書)

軍事革命(RMA)―“情報”が戦争を変える (中公新書)