積読日記

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『電脳コイル』第26話「ヤサコとイサコ」

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 多少、詰め込み過ぎなきらいはありましたが、主な伏線もほぼすべて回収して大団円へ。
 ヤサコとイサコのふたりの因縁と絆を確認した上で、しかし過度の馴れ合いはせず、ラストはそれぞれの道へ……。
「私はイサコ。名付け親はあんただ」
 イサコがヤサコへ告げた最後の台詞がハードボイルドで痺れました。小学生女子なのに(笑)。*1
 他にも、
「あなたは『痛み』を恐れない勇ましい女の子。だから『勇子(イサコ)』!」
「『痛み』を感じる方向に、出口がある」
 とか、もうこの最終話は全編、素敵な台詞ばかりで涙腺全開でしたよ。
 まぁ、その分、台詞に頼り気味だった感もありましたけど。
 
「電脳メガネ」を通じて現実と半分重なって広がる仮想空間。
 それと大人達には決して見えない子供達だけの世界を重ね合わせ、そこで繰り広げられる子供達なりの「リアル」を巡る冒険の日々。
 恋を知り、死への怯れと喪うことの悲しみと痛みを知り、だからこそその「痛み」へと踏み出す勇気の大切さを知る。
 勿論、この独特の世界観を活かした、見慣れた住宅街の風景に重ねて展開される小学生の電脳戦とか、複雑に絡み合う伏線と因縁とか、センス・オブ・ワンダーにあふれた単発エピソードの数々とか、エッジの効いた設定や演出も素晴らしかった。
 ……いや、なのに何故か地味な印象が拭えなかったのは何故なのだろう、とかいう問題点はあるのだけど。
 
 それはともかく。
 全26話を通じて、とても素敵なジュヴナイル作品でした。
 スタッフの方々、おつかれさまでした。
 
 ちなみに、来週よりまた第1話から再放送が始まるそうです。
 見逃した方も、是非、これを機に。

*1:このラストシーンでは中学生になってたけど。