積読日記

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谷川史子『くらしのいずみ (ヤングキングコミックス)』

くらしのいずみ (ヤングキングコミックス)

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東京マーブルチョコレート ハロー、グッバイ、ハロー。 (ワイドKC Kiss)

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東京マーブルチョコレート -全力少年- Production I.G × スキマスイッチ [DVD]

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東京マーブルチョコレート -マタアイマショウ- Production I.G × SEAMO [DVD]

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 昨日の補足を少しだけ。
 昨日の文章をUPしてからよそ様のレビューを覗いてみると、ウチとは真逆に、「夫婦」をテーマにしているのに登場人物が昔の谷川作品と変わらぬ「少女」と「少年」であることを評価しているサイトさんが結構多い。
 それは間違った評価ではないし、むしろ自分も積極的に肯定したいくらいなのだけど、そのことと自分が書いた「大人」という視点は決して矛盾しないものと考えている。
 
 何というか、「大人になる」って、「少女性」や「少年性」を否定するのではなく、むしろ内包するものではないか、とこのところ思うようになってきているからだ。この辺りは実は今やってる連載小説でもこれから触れてゆくので、興味を抱かれた方は是非お読みいただけたらと思う。
 まっとうに「大人」をやってくれば、それなりに挫折や屈折、死別を含む別れや裏切りなどの人生の負の側面を目の当たりにせざる得ないわけなのだけど、それでも少年や少女だった頃の健やかさを心の奥底に保ち続けることは重要なのではないか。それは道に迷ったとき、苦しんで心がへし折れそうそうなとき、そこに触れて自分が本来何者であるかを確かめることができれば、現実に対してしなやかに向き合うことの出来る大人になれるんじゃないだろうか。
 
 いや、まぁ、それがおよそ希望や願望の類だってことは承知の上だ。「大人になる」ということは、そうした「少年性」や「少女性」を幾度も幾度も目の前で叩き壊されることでもある。だから、もう心のどこを探してもそんなもの残っちゃいないよ、という方もおいでのことだろう。
 しかし、だからこそ、とあえて言いたい。
 人は谷川史子を読むのだ、と。
 そこに日々の生活の中で忘れてしまった何事かを見いだし、あるいは自分の中にかすかにでも純粋なものが残っていたことに安堵しながら、自らの人生、自らの物語に回帰してゆくことができるのだ。
 
 ……ああ、まぁ、別にそんな大げさに考えなくても、谷川史子のあの繊細な描線で描かれた若妻たちにほぇ〜っと萌えててもいいんですけどね。
 
 そうか、『東京マーブルチョコレート』はコミックでも出るのか。
 ううっ、某所で観たPVでの谷川絵の再現度は脅威的なものがあったしな。あの絵が動くというだけで、ちょっと衝撃を禁じえない。
 DVD。密林さんで7,000円弱──買うべきか、買わざるべきか。むむむ。 
 とりあえず来月に出るというコミックスを読んでから考えよう。