積読日記

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訃報

 SF作家のアーサー・C・クラークが亡くなられたとの由。
朝日新聞:SF作家のアーサー・C・クラーク氏が死去
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200803190065.html
■読売新聞:「2001年宇宙の旅」アーサー・C・クラーク氏が死去
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080319-OYT1T00315.htm
 享年90歳とのこと。惜しまれつつの大往生であろう。
 
 アーサー・C・クラークと言えば、個人的には『2001年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫 SF 243)』というより、軌道エレベータ建設を描いた『楽園の泉 (ハヤカワ文庫SF)』とか、異星体とのファスト・コンタクトを描いた『宇宙のランデヴー (ハヤカワ文庫 SF (629))』辺りで、その壮大なスケールの知的イメージに圧倒された記憶がある。

楽園の泉 (ハヤカワ文庫SF)

楽園の泉 (ハヤカワ文庫SF)

宇宙のランデヴー (ハヤカワ文庫 SF (629))

宇宙のランデヴー (ハヤカワ文庫 SF (629))

 自分にとって「SF」とはこうしたクラーク的な「知の圧倒感」にあるという刷り込みがあるので、「自分には無理だ」と早々に諦めてしまった。
 そんなわけで、いまだに「SF」というと神棚に奉って敬して拝む対象という思い込みがあり、それよりは陰々滅々と裏切りと謀略とたちの悪い皮肉の応酬からなる英国人の冒険小説の方がよほど親しみやすく心安らぐ感じがして、どっぷり肩まで漬かって今日に至るのだが、こんな話をするとSFプロパーの人に怒られそうだなぁ。
 
 まぁ、何にせよ、またひとり自分の心の中の神様がいなくなってしまった。
 やはりそれは、悲しいことだ。
 今はただ、ご冥福をお祈りします。