積読日記

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原作/横山光輝 脚本/今川泰宏 漫画/戸田泰成『ジャイアントロボ地球の燃え尽きる日 3 (チャンピオンREDコミックス)』

 今川版OVAに準拠したコミック版『ジャイアントロボ』の第3巻。
 と言っても、絵柄は泥臭いし、今川版OVAでは純然たる正義の味方だった国際警察機構の中条長官は器の小さい悪人だしと、今川版OVAを知っている読者であれば戸惑いを覚える設定で物語は展開する。
 だが、BS団の十傑衆と国際警察機構の九大天王の奇想天外な魔人vs超人の集団バトルに巨大ロボットが乱入するという、横山光輝の漫画家人生を凝縮どころか核融合臨界点まで爆縮したような今川版OVAの基本的な世界観は健在。
 十傑衆がひとり、白昼の残月による国際警察機構の本拠地・梁山泊強襲とその危機にインド・タージマハルから駆けつける大作少年と3体のジャイアントロボ。加熱する死闘に更に劫火を注ぎ込まんと集結する彼我の超人・魔人に巨大ロボ!
 これで熱くならない「少年」はいないだろ、とばかりに執拗にバトルの連続で練り込まれてゆくプロットは、いやいや確かにこれは今川節の真骨頂だ。
 しかし、まぁ、考えてみれば、「横山作品のあのキャラがこんな役で!」というのも今川版OVAの楽しさのひとつであったわけで、マンガという形で再び語り直されるというなら、キャラの配役が再度振り直されたのも不思議でもなんでもない。
 作画の戸田泰成の絵は確かに泥臭いが、その泥臭さをスピードと熱量に変換する術を知るベテラン作家でもある。
 その意味で、くせはあるが嵌まれば堪らない魅力を発揮する作品には違いない。