積読日記

新旧東西マイナー/メジャーの区別のない映画レビューと同人小説のブログ

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谷 甲州『空中雷撃―覇者の戦塵1943 (C・NOVELS)』

 とうとう最期まで戦闘シーンはなしのまま、通信傍受(SIGINT)部隊が艦載航空隊の有意信号を元にエセックス級正式空母戦闘団の東太平洋進出を分析したり、VT信管のテストをしたり、対艦ミサイルのテストをしたりするだけでノベルズ1冊終わってしまいましたとさorz。
 ……谷甲州……おそろし子……(爆)。
 つか、まぁ、確かにこのシリーズの基本コンセプトである「技術者の視点から見た戦争」を突き詰めれば、技術者にとって「戦闘」は結果に過ぎないわけで、ある意味、なるべくしてなった結果と言えなくもない。
 読者にしてもおそらくほとんどが「よく訓練された谷甲州ファン」であると思われるので、別にこんなことで驚きもしないだろうが、しかしこんな勝手が許されるのは固定ファンを掴んでいる作家なればこそだろう。
 いや、ま、「面白いか?」と訊かれたら、「オレは面白いけどなぁ」としか答えようがないのだが。
 
 しかし、2年半待たされた去年の新刊がこれだと、本格的な戦闘シーンが描かれるまであと何年掛かるのか。
 ……いや、終戦まで描かれないって可能性もあるわけだが。