積読日記

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秋月ひろ『TV Anime School Daysイノセント・ブルー (JIVA CHARACTER NOVELS)』

TV Anime School Daysイノセント・ブルー (JIVA CHARACTER NOVELS)

TV Anime School Daysイノセント・ブルー (JIVA CHARACTER NOVELS)

 あっさり読了しました。
 昨年、アニメ業界をいろんな意味で震撼させたアニメ版の脚本家によるノベライズ。
 
 アニメ版のノベライズとしては良く出来ていたと思うけど、その意味ではアニメ版のレビューはもうやってしまっているので、これ以上、重ねて語らねばならないほどの感想はさほどなかったりする。
 あえて言うなら、相手に裏切られたと知った瞬間の足元がふいに液状化するような、すっと底が抜けてしまうような浮遊感というか、世界の枠組みがぐにゃりと歪む感覚とか、その辺りの「カタルシス」も間違いなく本作の魅力だったはずだし、それあるからクライマックスでのヒロイン達の「日常からの逸脱」に繋がってくるのだから、そこはもうちょっと踏み込んで欲しかったかな。
 アニメ版は、どう考えてもTVコードには馴染まない原作ゲームの要素を、ありえないほど狡猾かつ精妙にプロットに組み込んで、そこへ更にツイストを効かせすぎたものだから、とうとうTVコードを突破して「nice boat!」と化してしまったという伝説の作品(苦笑)だったわけだけど、その構成の妙についてはこのノベライズ特有の「何か」が追加されているわけではないので、そこもちょっと喰い足りない。
 その点では、エロゲー版のノベライズとして先に出た『School Days (世界編) (ハーヴェストノベルズ)』『School Days (言葉編) (ハーヴェストノベルズ)』の方が個人的には好みかも。
 
 何にせよ、非常に読みやすい文体だったのは好印象。
 まぁ、どちらかというと作者は映像業界で活躍してゆく人のような気がするので、小説は主戦場じゃない気もするのだけれども。