積読日記

新旧東西マイナー/メジャーの区別のない映画レビューと同人小説のブログ

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篠房六郎『百舌谷さん逆上する 1 (アフタヌーンKC)』

百舌谷さん逆上する 1 (アフタヌーンKC)

百舌谷さん逆上する 1 (アフタヌーンKC)

ツンデレ」とは心理学上の専門用語で、正式には「ヨーゼフ・ツンデレ博士型双極性パーソナリティー障害」*1と称する。
 他人から与えられた好意や愛情を攻撃的な行動で返してしまう症例で知られている。
 もっとも、本気で嫌なときもやっぱり攻撃的で破壊的な行動になっちゃうんで、端から見てるとさっぱり区別がつかないんだけどね。てへ♪
 という、設定で描かれる小学生ラブコメ(爆)。
 
 ……いや、これはここまでいくと「ツンデレ」じゃなくて「ヤンデレ」じゃねぇかとか、なぜこの作者はこうも直球ど真ん中、打ち頃ストライクゾーンに来た球を岩鬼並みの悪球打ちにしてしまうのだろうとか、いろいろなものが頭を巡るものの、まぁ、でも篠房六郎だしなぁ、そりゃあこうなるわなぁ、という作品。<よく判りません。
 ただ、いろいろアクは過剰ではあるものの、作品を背後から支える作者の深い人間観察の視力は依然、衰えを見せていない。まぁ、その視力があるからこそ、ヒロインの金髪美少女・百舌谷さんが下僕扱いする樺島クンへの罵倒のあまりに酷すぎる発言の数々のクリティカルさ加減も尋常ではないのだけど(う〜む)。
 
 それはさておき。
 巻末に『げんしけん 公式同人誌』(『げんしけん (9) 限定版』収録)*2に掲載されている、母校の漫研訪問記で作者(女性型)が激白してる第2世代オタクの在り様に深く肯いてしまう。
 そう。岡田斗司夫のような上の世代からどう見られていたか知らないが、僕ら第2世代オタクが博覧強記型に走ったのは別に好き好んで「勉強したから」ではなく、歪んだ鬱屈とルサンチマンに晒されて「斯く在らねば我に在らず」という激しい強迫観念によって「自動的にこうなってしまった」というに過ぎないのだ。
 ……って、そりゃあ、今の若い子には伝わんないよね。ふつーね。う〜んう〜ん。<何かにうなされている。

*1:命名:伊藤 計劃

*2:なんだろうな。この形容矛盾の塊みたいなタイトルは。