若木民喜『神のみぞ知るセカイ 1 (少年サンデーコミックス)』
- 作者: 若木民喜
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/07/11
- メディア: コミック
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前作の『聖結晶アルバトロス 01 (少年サンデーコミックス)』はデザインや設定的に悪くなかったものの、今ひとつテンポが悪くてブレイクしきれないまま終わってしまった感があったのだが、その反省か、本作は数話で1エピソード(ヒロイン1人攻略)で、インターミッションを挟んで次のエピソードへと移るので、テンポよく非常にとっつき易い。
それでも「このタイミングで美少女ゲームネタかよ」とどうにも周回遅れ感は否めないのだが、元々、作者は「そっち系」の人間としてその筋で知られていた人物だけに、つぼの押さえ方は見事なものである。いや、「そっち系」ってどっちよ、と訊かれてもいささか答え辛いが。
とはいえ、根本的な問題として、今の若い男の子ってそんなに美少女ゲームとかやってるのかしらという辺りがあるのだが、その辺の手応えが今ひとつよく判らない。
角川とかアスキーメディアワークス辺りのオタク系コミック誌に載っている美少女ゲームのコミカライズ作品を読んでいる層と同じ読者層を狙っているのだとしたら、嫌な見方をすれば、『サンデー』本誌をしてその程度のニッチなマーケットも拾わざる得なくなったとも言えなくもない。本来、そういうのを拾うための『GX』だったわけだが、まぁ、あっちに載っているラブコメ作品は微妙に「萌え」に敵意や悪意がこもっているような作品ばかりだし。
しかし、『ハヤテのごとく!』はああ見えて、意外とオタク・マーケット層としてライト層をメインターゲットしているから成功したのであって、美少女ゲーマー(とそれを好意的に肯定するライト層)なんて、大してボリュームはないような気もするのだが。
本気でブレイクするには女性読者層をどこまで取り込めるか*1、だと思うが、さて、どうだろうねぇ……。