積読日記

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『秘密 The Revelation』全26話

秘密(トップ・シークレット)~The Revelation~File 1 [DVD]

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秘密(トップ・シークレット)~The Revelation~ File 2 [DVD]

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秘密(トップ・シークレット)~The Revelation~ File 3 [DVD]

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 死者の脳から生前の視覚情報を映像として取り出すMRI技術による捜査を行う科学警察研究所・法医第9研究室の職員たちが、生命倫理と心の禁忌の境界線上で凶悪犯罪に立ち向かう──という、基本設定から米国の『CIS』とか『BONES』のような硬派な科学捜査ドラマをイメージして期待していたのだが、微妙な迷走を重ねたあげく何だかよく判らないネタアニメになってしまったという作品。
 ……いや、未見の方には何を言っているのか判らないと思うが、自分でも何を観てしまったのかよく判らない(爆)。
 
 え〜っと、な。
 法的にどうだろうというようなケースにまで、ぽんぽんMRI捜査の許可を出す倫理委員会とか。
「死後長時間経つと脳が劣化してMRIの利用に耐えられなくなる」と設定語りをしたかと思ったら、何の説明もなしで死後何日も経った脳をMRIに掛けるエピソードをやったり。*1
 仲間の職員の脳が第9に送りつけられたら「小脳と脳幹が含まれていないから、彼女はまだ生きている*2」とか言いだしてみたり。
 日米にまたがって暗躍し、第9職員の殺害どころか米大統領暗殺にまでかかわった黒幕の犯行動機が、死者の個人情報を叩き売って小銭を得たいというしみったれたものだったり。
 ラストは黒幕の放った銃弾で警視庁地下の研究室に据えられたMRI装置の自爆装置(……何故、そんなものが(笑))が作動し、第9職員たちがお花畑を歩きながら「人はもっと判りあえる」などともっともらしい会話で幕という……(爆)。
 もう、もう、本当に何と言うかな。
 
 この作品の魅力(突っ込みどころ?)を語りだすと本当に止め処なくなってしまうのでこれ以上は触れないが、何でこんなことになってしまったのか、関係者を問いただしたい。ああ、それこそもうMRIに掛けてでも執拗に問いただしたい(おい)。
 原作の連載は続いているようだし、アニメだけがこんなおかしなことになってしまっているのか、そもそも原作からしてこうなのか、そこもまた非常に興味深い。
 しかし、こんな「基本設定は魅力的なのに、結局ネタになってしまう作品」を見せられると、日本の映像業界って本当にSFをアクチュアルに作りこむのが苦手なんだなと思い知らされるなぁ。

*1:ちなみに何か、脳から直接映像を取り出しているんじゃなくて、いったん大容量の外部記憶装置(ストレージ)に蓄積して後から解析しているっぽいのだが、特に詳しい説明はなかった気がする。

*2:まるで脳を「再移植すれば生き返る」と言いたげに(爆)。