『木枯し紋次郎 関わりござんせん』@東京国立近代美術館フィルムセンター(15/7/18(sat)鑑賞))
本日の映画『木枯し紋次郎 関わりござんせん』@東京国立近代美術館フィルムセンターに劇場入りしました。1972年公開。菅原文太の紋次郎だそうです。。
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月18日
『木枯し紋次郎 関わりござんせん』観終わりました。中村貞夫原作、菅原文太主演。紋次郎のルーツに迫る渡世の地獄。渡世の縁からやむなく重ねた殺生故に追われる身の紋次郎。情けを掛ければ裏目にで、関八州、どこにも置き所のないひとり旅……という世界観が冒頭(アバン)で鮮やかに立ち上がる。
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月18日
『木枯し紋次郎 関わりござんせん』:基本のフォーマットは、東映伝統の任侠映画で、いろいろあって追い込まれた主人公が、遂に怒りを爆発させて殴り込み……なんだけど、時代はプレ『仁義なき戦い』の70年代。世界観は徹底してハードボイルド。
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月18日
『木枯し紋次郎 関わりござんせん』:立ち寄った旅籠で出会った飯盛女(市原悦子)が、幼い頃、間引かれそうになった自分を救ってくれた姉と知り、うっかり身元を明かす。それが元で、地元のヤクザものの抗争に利用されそうになる。いや、この姉がゲスで(爆 ヤクザと組んで、弟を売ろうとする。
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月18日
『木枯し紋次郎 関わりござんせん』:まぁ、酷い姉なんだけど、苦労を重ねて性根がゆがんでしまった辺りや、渡世人の間で剣客と知られる紋次郎の姉と知って、急に浮かれあがる小市民ぶりも描かれているので、観客目線ではそれほど怒りの対象にならない。この辺は市原悦子の演技力ですなぁ。
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月18日
『木枯し紋次郎 関わりござんせん』:それよりも、紋次郎の渡世人たる存在そのものが、周囲の人々を不幸に追い込んでゆく象徴として描かれていて、どうあがいても地獄に陥る業のような世界観が展開する。最後は、別に姉が改心するでもなく、紋次郎以外全滅エンドだしね。
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月18日
『木枯し紋次郎 関わりござんせん』:抗争に捲き込まれて姉も死に、自分の命を狙うヤクザ者どもも皆殺しにし、叩っ斬ったヤクザのいまわの際の呪詛の言葉をリフレインさせながら、紋次郎は夕陽の中に消えてゆく。……いやあ、見事に救いのない(^^:: ハードボイルと言うよりノワールかな。
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月18日
『木枯し紋次郎 関わりござんせん』:菅原文太は、この作品の時点では『仁義なき戦い』の前なんだけど、本来、溢れるほどに情が深いのに己の業を知るが故に寡黙に感情を押し殺し、またそれ故に周囲から誤解されがちな紋次郎をよく演じていて、ハードボイルドの主役にはまり役。
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月18日
『木枯し紋次郎 関わりござんせん』:そうなんだよね。クールなのがハードボイルドなんじゃない。世界が非情だから、泣き出しそうな激しい想いを圧し殺して、クールに振る舞う。振る舞わざる得ない男の哀愁が滲み出してこそ、ハードボイルドですよ。偉い人には、それが判らんのです。
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月18日
『木枯し紋次郎 関わりござんせん』:ただ、やっぱり60年代のアクション映画と比べると、そうした情念の描き方が、一段と深みを増している感はある。いや、60年代でも一般映画寄りの作品ではそうでもないんだけど、アクション映画でわざわざ渡世の業とか、切なさとか、そんなに踏み込んでない筈。
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月18日
『木枯し紋次郎 関わりござんせん』:この辺、60年代から70年代に10年紀(ディケイド)をまたいだとたん、パキッとカラーが変わってくるっていうのも映画という文化の面白いところだよね。作ってる側も、観ている側も、そんなにいきなり人間ががらりと入れ替わってるわけじゃないのに。
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月18日
『木枯し紋次郎 関わりござんせん』:この救いのなさは韓国映画に通じる……と言うか、韓国映画が日本人の捨てたものを拾って継承しているということかもしれないけど。そんなわけで、良質な時代劇ノワールとして堪能しました。この辺の時代劇もちゃんと掘ってかないとダメかな(^^;;
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月18日