『ゴキブリ刑事』@池袋新文芸坐(15/12/16(wed)鑑賞)
引き続き、本日の映画2本目『ゴキブリ刑事』@池袋新文芸坐に劇場入りしました。1973年公開。これの続編を先にラピュタ阿佐ヶ谷で観てますな。一匹狼の刑事アクションなんですが、主演の渡哲也が後の『西部警察』の大門警部のキャラを本作で確立したという映画です。
— 義忠@C94 8/12(日)東ユ-10b「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年12月16日
『ゴキブリ刑事』観終わりました。いやぁ、続編の『ザ・ゴキブリ』もサイコーだったけど、こっちも超サイコーじゃないスか! 元々、ヤクザをゴキブリ呼ばわりして一片の人権も認めない主人公なんで、落ちはヤクザ・デストローイなんだけど、あんな酷い殺し方って(爆
— 義忠@C94 8/12(日)東ユ-10b「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年12月16日
『ゴキブリ刑事』:ちなみにポスターはこちら↓ コピーが凄い!「警察手帖は殺人のパスポートか/殺すことしか解決を知らぬ/人呼んでゴキブリ刑事──」おい!おいおい!地方公務員、おい! pic.twitter.com/xOKI4Ei2Y1
— 義忠@C94 8/12(日)東ユ-10b「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年12月16日
『ゴキブリ刑事』:ゴキブリ(暴力団)狩り専門と呼ばれる刑事・鳴海涼(渡哲也)。工業団地としての再開発を通じて急成長している地方都市の所轄署長に呼ばれた彼は、続発するヤクの密売人殺しの捜査を端緒に、新興の鮫島組の壊滅を目論むが……というお話。
— 義忠@C94 8/12(日)東ユ-10b「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年12月16日
『ゴキブリ刑事』:この映画のポイントはいくつかあって、勿論、ひとつはこの時点で既に確立されている大門係長のキャラなんだけど、それ以外では徹底して行動主体のハードボイルド描写。主人公が急に変な行動を起こす→行動の理由を言葉ではなく結果の絵で見せる、の繰り返しなのね。
— 義忠@C94 8/12(日)東ユ-10b「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年12月16日
『ゴキブリ刑事』:加えて、造成された埋立地の作りかけの工業団地が主な舞台なので、だだっ広い平地に工場や規格化された低層の家屋、プレハブの飯場などがぽつんぽつんと置かれ、道路はまっすぐ画面奥の消失点まで延びている。どこか、日本離れした大陸的なロケーションなのだ。
— 義忠@C94 8/12(日)東ユ-10b「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年12月16日
『ゴキブリ刑事』:そうした描写の積み重ねもあって、邦画というよりハリウッド産の乾いたハードボイルド映画の手触りに近い。そこに劇画原作だからか、ちょいちょい展開が急だったり、表現が過剰だったりして、そういった素地があってあの「大門係長」の強烈なキャラが確立したのも納得。
— 義忠@C94 8/12(日)東ユ-10b「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年12月16日
『ゴキブリ刑事』:で、まぁ、この主人公はヤクザにまるっきり人権を認めてないので、公然と別件逮捕だと口走るわ、拷問じみた尋問はするわ、犯人の弾が切れたのを確認してから射殺するわ……おおらかな時代だったんですねー<違う(爆
— 義忠@C94 8/12(日)東ユ-10b「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年12月16日
『ゴキブリ刑事』:アクションとしては、工事中の造成地が舞台なので、大型トラックとかブルドーザーとかとのカーチェイスがあったり、この辺のスケール感も邦画離れしていて楽しい。特にクライマックスは、主人公がブルドーザーで敵の籠るプレハブ2階建の飯場をひっくり返すぞ!(爆
— 義忠@C94 8/12(日)東ユ-10b「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年12月16日
『ゴキブリ刑事』:更に崩れた飯場の下でヤクザ衆が呻いているそこへ、燃料タンクに火を付けて皆殺しだ! ……や、ヤクザ・デストローイ(汗 ま、そんな感じで、同じヤクザ・デストローイでも、ちょっと他所とは違う。そんな容赦のなさもハードボイルド。
— 義忠@C94 8/12(日)東ユ-10b「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年12月16日
『ゴキブリ刑事』:その他、細かい所を拾うと、地井武男が若い!細い!とか、続編で「前作の主要キャラ」然と冒頭から登場している人物が影も形も出てこないwとか。ああ、そもそも主人公の年齢で、続編のレビューでも言ったけど、あんなドスの効いた27歳がいるかーっ!(爆
— 義忠@C94 8/12(日)東ユ-10b「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年12月16日
『ゴキブリ刑事』:そんなわけで、いろいろ型破りで面白かったけど、結局、この路線は邦画では継承されなかったんだよね。劇画的な部分が強調されてTVドラマの『西部警察』に結実はしたんだけど、映画には戻ってこれなかった。特にハードボイルド的な行動主体の論理展開なんか、跡形もない。
— 義忠@C94 8/12(日)東ユ-10b「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年12月16日
『ゴキブリ刑事』:いろんな可能性の種子を秘めながら、邦画はその可能性を活かせないまま、結局半径50メートル以内の人間関係を繊細に描く能力以外は、すべて失ってしまった。まぁ、その分の遺伝子は、アニメやゲームの世界に継承されてるので、日本全体では帳尻合ってるのかもしれないけど。
— 義忠@C94 8/12(日)東ユ-10b「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年12月16日
『ゴキブリ刑事』:映画自体は確かに面白かったけど、その後の邦画の歴史を考えると、アクション映画好きとしては、ちょっと複雑な想いにもなる映画でした。DVDも出てるし、amazonプライムにもあったかな。観る機会のある方は、有り得たかもしれない邦画アクションの可能性として、是非。
— 義忠@C94 8/12(日)東ユ-10b「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年12月16日