『SLUM-POLIS』@新宿武蔵野館(15/10/1(thu)鑑賞)
本日の映画『SLUM-POLIS』@新宿武蔵野館に劇場入りしました。終末後(ポスト・アポカリスク)な時代の日本を舞台に、若者たちの抗争を描く邦画。大阪芸大生だった監督の卒業制作作品だそうで。 pic.twitter.com/XyqWFihq9A
— 義忠@冬コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) September 30, 2015
『SLUM-POLIS』観終わりました。近未来SFバイオレンス映画……と言うより、どっちかというと青春映画。仏映画の『冒険者たち』の名が上がってるけど、テイストとして似てるのはむしろ『スワロウテイル』かな。センスのいい楽曲の使い方とか、暴力とリリカルさの共存とか。
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『SLUM-POLIS』:近未来、震災後の関西にできたアジア系貧民街「スラムポリス」に生きる中国系孤児の少年、ジョーとアスは、ひょんなことから転がり込んできた娼婦で絵描きの少女アンナと、なし崩しに暮らし始める。徐々に絆を深めながら、貧しさと暴力の偏在する日々を3人は生きる。
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『SLUM-POLIS』:しかし、アンナを危険なスラムから連れ出し、安全な都市部に移住したいと考えたジョーとアスは、日系ヤクザの麻薬運搬車を襲撃して大金を手にしようという危険な仕事に参加を決める。綿密な計画の下、襲撃は成功するが、現場で組員を殺害してしまう……。
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『SLUM-POLIS』:監督と出演者にリアルタイムにリツイートされながらレビューするというのも、ちょっとドキドキなんだけど、遠慮なくいくよ(^^;; さて、まず第一印象として、卒制で撮った映画とは思えないほどしっかりしてます。低予算なわりに、世界観の作り込みが上手いしね。
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『SLUM-POLIS』:特に貧民街のセットやモブ勢が醸し出す猥雑さを成立させるには、結構、手間と神経を使ったと思われます。でも同時に世界観のキモでもあるので、ここにリソース集中させたのは正解。創り手の映画センスの良さを示すポイントです。
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『SLUM-POLIS』:ちょっと冷めたバイオレンス描写も、邦画バイオレンスの継承者として充分に合格点。レイアウトも悪くない。でも、駆け引きを通じて「アクション」に育てようとか、熱量や湿度を高めようという意図が画面からあまり感じないので、多分、そっちが主題の映画ではないです。
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『SLUM-POLIS』:この映画の「暴力」は、テンションを上げるための装置ではなくて、「終わらせる装置(デウス・エクス・マキナ)」なんだよね。だから、終盤、日系ヤクザが報復に動き出してからの、圧倒的な絶望感は凄いですよ。交渉とか反撃の余地もなく、一方的に狩られるだけなんだから。
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『SLUM-POLIS』:だから、この映画の主題はバイオレンスではなく、それによって儚く奪われ、喪われる、主人公たち3人による小さなコミュニティのキラキラした輝きだったり、切なさだったりの方なんだと思います。そこの尺は結構長めだし。
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『SLUM-POLIS』:この辺のリリカル・パートでの、3人の関係性の描写とか、色使い、楽曲の使い方……そして同時に3人の運命を冷たく追い込む残酷さは、青春映画として良く出来てます。特に「残酷さ」のさじ加減ね。
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『SLUM-POLIS』:このビター・スウィートなリリカルさは、バイオレンス描写での底冷えのするノワール感と通底してるんでしょう。この先には暴力描写一切なしでも、残酷でリリカルな青春映画もあるだろうし、韓国映画も真っ青な冷たくノワール映画も有り得る。どっちに行ってくれるなw
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『SLUM-POLIS』:あと超個人的意見としてツッコミ入れると、冒頭のテロップでの世界観説明はいらないです。字が小さくて読み辛いってのもあるけど、本編観れば何となく伝わるように表現できてるので余計。だいたい鈴木清順なんか、何の説明もなしに、日本の山奥で西部劇成立させてんだからw
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『SLUM-POLIS』:それとやっぱり、アクション映画好きとしては、敵味方双方がぎりぎりの駆け引きを繰り広げるアクションとかも観てみたいですね。それもできれば、プロットにちゃんと組み込んで。何か日本の監督さんって、バイオレンスは上手くても、アクションにあまり関心ないひと多くて。
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『SLUM-POLIS』:何にせよ、卒業制作でこれだけのものが撮れるなら、もう全然文句はございません。……まぁ、本気で趣味に走りだすと一気に娯楽性を放り捨てそうな危うさも感じなくもないけど(^^;;、今はまだそれも魅力の内。次回作が楽しみな監督さんがまたひとり増えました。
— 義忠@冬コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) September 30, 2015