『ルーム』@地元のシネコン(16/4/14(thu)鑑賞)
本日の映画『ルーム』@地元のシネコンに劇場入りしました。先頃、話題になった拉致監禁事件を、被害者の子供目線で描いたお話だそうです。#fr16_n
— 義忠@冬コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 14, 2016
ついでに、『ルーム ROOM』のレビュー。観終わったのが遅い時間だったのと、その後、地震なんかもあったので後廻しにしてましたが、ここでまとめときましょう。#fr16_n
— 義忠@冬コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 16, 2016
『ルーム ROOM』:小さな部屋に閉じ込められた、お母さんと小さな息子のお話。天窓ひとつの狭い部屋に閉じ込められた女の子は、その7年間でお母さんになり、そこで生まれた男の子は5歳になりました。生活物資は、週に一度、男が届けにやってきます。ふたりはそれで暮らすのです。#fr16_n
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『ルーム ROOM』:しかし、男の態度の変化から、危険を察したお母さんは、部屋からの出ることを決意します。5歳になった息子に死んだふりをさせて、外の世界に助けを求めるのです。小さな部屋の中しか知らない男の子は怯えます。#fr16_n
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『ルーム ROOM』:それでも、お母さんに勇気付けられて、外の世界へと出てゆくことにしました……というお話。とはいえ、部屋からの脱出話は序盤の3分の1くらいで終わり、部屋から出た母子が、落ち着きを取り戻して新しい日常を始めるまでが主題。#fr16_n
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『ルーム ROOM』:「好きな娘をさらって嫁にしてしまう話」は、古今東西の昔話にもあるくらい普遍的な寓話なのだけど、現実の女の子の人生に落とし込まれれば、当然こういうグロテスクな話になる。それでも、この映画は、そういうグロさを露悪的に楽しむ映画ではないです。#fr16_n
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『ルーム ROOM』:そこから、どうやって日常を取り戻すのか。この映画で救出された母子を迎える周囲の人々は、優しい善男善女ばかりなのだけど、そうであればこそ、事件の遺した傷の深さが際立ってゆく。監禁時に支えた母子の絆の強さも、過剰依存と拘束に転じかける。#fr16_n
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『ルーム ROOM』:普通の女の子が、長期間の監禁下で、メンタルを圧し折られずに生き延びただけでも凄いことだけど、その反動は当然のようにあって、解放後も本人も周囲の家族もそこに苦しむことになる。犯人の犯した、人生の時間を奪うことの罪深さに憤らずにはいられない。#fr16_n
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『ルーム ROOM』:この映画は、それでもこの手の犯罪をまだマイルドの描いてる方なんだよね。7年間被害者が生き延びたこともそうだし、息子が警察に保護された時点で、犯人が母親を殺して逃走してた可能性もある。家族も母子を受け入れようと必死に努力してくれてる。#fr16_n
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『ルーム ROOM』:現実にはもっと残酷で雑な扱いをされても不思議ではないし、そのことで被害者が更に深く傷つくことも少なくないと思う。それに対して、こうした事件への世間の理解を促すことが、この映画のひとつのテーマではあるのだと思います。#fr16_n
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『ルーム ROOM』:と同時に、もう一段、深い抽象度のレイヤーでは、人間が狭い「部屋」を出て、より広い「世界」へと認知を拡張してゆくプロセスや意義についてのお話でもあるんですね。#fr16_n
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『ルーム ROOM』:あの天使のような5歳の男の子が驚いたり、怯えたり、時に拒絶したりしながら「世界」を広げてゆく姿は、私たち自身の姿でもある。私たちも、ああやって「世界」を広げてきたし、これからも広げてゆくのです。#fr16_n
— 義忠@冬コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 16, 2016
『ルーム ROOM』:意図的に母子の問題に視界を狭めているので、社会や犯人側の問題を掘り切れていない面もあるけど、そこはこの映画とは別の枠組みで語られるべき課題でしょう。この手の事件への啓蒙として、世界認知を巡る哲学性の高さも含めて、優れた映画であったと思います。#fr16_n
— 義忠@冬コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 16, 2016