『ロボット(完全版)』@渋谷TOEI(12/6/8(fri)鑑賞)
唐突に渋谷なう。今度こそ『ロボット(完全版)』を観れるか?
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月8日
『ロボット(完全版)』:劇場入りしました。入りは上映開始5分前で1~2割くらいかな。なんか女子会みたいなグループもいますが。あと、劇場までのエレベーターでインドの人らしき若い男性と一緒になりました。さてこれから完全版3時間か……飯喰ってこなかったけど、持つかな?
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月8日
『ロボット(完全版)』:観終りました。……いや、凄かった。もう凄いとしか言えない。西側的な作劇のメソッドからすると、逸脱するにも程がある映画なんだけど、観終わった後のやりきった感がもう半端ない。もう滅茶苦茶。でも面白い。悔しい、みたいな〈よく判らんw
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月8日
『ロボット(完全版)』:昨日のTweetでも触れましたが、この映画、基本的なトーンとして、あまり頭を使う映画ではありません。吉本新喜劇的というか、何と言うか、非常に判りやすい芝居をベースに積み上げられています。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月9日
『ロボット(完全版)』:「ほら笑ってくださーい」「怒ってくださーい」「怖がってくださーい」という演出側の意図がいっそ記号的なほど判りやすく明示されていて、観客はそれに乗っかってれば間違いないだろ的な作りになっているということです。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月9日
『ロボット(完全版)』:「インド映画」と一言で言っても実際は複数の言語ごとに市場が分かれているという、多言語、多文化、多民族のお国柄。このくらい判りやすくしないと、全国規模の大ヒットは難しいということか。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月9日
『ロボット(完全版)』:ちなみにこの映画は「タジク語映画」で、インド映画の主流の「ヒンドゥー語映画」と比べると、市場規模的には傍流に当たるそうです。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月9日
『ロボット(完全版)』:それと関係あるのかどうか、この映画、全体の構成が西側的な基準で観ると無駄だらけで、「そこにそこまで尺を使うか?」という場面がそこかしこに見受けられます。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月9日
『ロボット(完全版)』:でも、その「無駄なシーン」を全力で撮る! カット割もレイアウトも、セットのスケールも役者の演技も、すべて全力。いささかの手抜きもなし!
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月9日
『ロボット(完全版)』:特にその象徴となるのが、歌のシーン。ストーリー的な脈絡関係なく、ちょいちょいぶっこまれるのはインド映画のお約束にしても、南米ロケとか、豪華セットとか、大量のバックダンサーとか、本編より本気!
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月9日
『ロボット(完全版)』:つーかですね、本筋と全然関係なく、歌のタイトルが『キリマンジャロ』っつーだけで、南米マチュピチュ遺跡に大量のバックダンサー送り込んで歌い踊るなんて頭おかしいだろ! しかもフルコーラスきっちり(爆
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月9日
『ロボット(完全版)』:しかしですねぇ、その歌のシーンがまた、西側のトップクラスのクリエーターのPVと比べても、まったく遜色のない非常にハイレベルの映像として完成されているのです。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月9日
『ロボット(完全版)』:いやいや、本当、カットの繋ぎ方とかレイアウトとか、色彩設計とか、完成度が滅茶苦茶高いっス。スクリーンからひしひしと本気度が伝わってきます。命懸けてる勢いです。本筋と全然関係ないのにw
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月9日
『ロボット(完全版)』:一事が万事この調子なので、3時間もあるのに中だるみがない。いや、本筋をちょくちょく見失ってるのでその意味ではしっかり中だるみがしまくってるんだけどw、面白さは途切れない。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月9日
『ロボット(完全版)』:なぜそうなのか、と考えると、ストーリーは迷走してても、感情のラインは外してないからなんですね。唐突な歌のシーンも、感情の昂ぶりが限界突破したので「必然的に」挿入されている、という理屈で捉えれば、なるほど、ごく自然にそこにあるべきであるように見える。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月9日
『ロボット(完全版)』:この映画の監督さんは、インド映画界で10年以上のキャリアと数多のヒット作を叩き出したベテランの演出家なので、彼らなりの演出理論を習熟し、完璧に使いこなす力量を持っています。だから異文化の観客が観ても、(突っ込みはしてもw)自然に作品世界に入って行ける。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月9日
『ロボット(完全版)』:まぁ、この映画はインド映画としても破格の作品らしいので、現代インド映画を評価するのにこの作品を基準にするのは、ちょっと違うようなんだけど。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月9日
『ロボット(完全版)』:この映画は、僕らの知ってる映画や娯楽のメソッドとは大きく異なってはいても、充分に対峙し、観客に「面白い」と思わせるだけの強度を持った作品です。こうした異文化の作品に出逢えると、まだまだ「物語」の可能性は広大なのだと嬉しくなってしまいますね。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月9日
『ロボット(完全版)』:さて、ここからは、観ててちょこちょこと気になった箇所をいくつか。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月9日
『ロボット(完全版)』:当然のことながら、自分はこの映画が初めてのインド映画なんですが、一目見ただけで、インド社会が多人種社会だということが理解できます。主役こそいかにもインド系の濃い顔アニキなんですが、悪役の博士が「中国人か日本人?」と思ってしまうほどのアジア系顔。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月9日
『ロボット(完全版)』:他にもアフリカ系に近い色の濃い人、薄い人。ヒロインなんか、そのままハリウッドでも通用しそうな美人さんです。まぁ、コーカソイド系白人のご先祖様はインド大陸から来たとも言いますしねぇ。そうした多様な顔立ちの人々が、ごく自然に活躍する映画です。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月9日
『ロボット(完全版)』:同時に制作陣も国際的。SFXにはハリウッドの有名所のスタジオが参加し、武術指導は中国映画界からは袁和平(ユエン・ウーピン)が参戦。他にもエンドロールを観てると、CG関連で中国系のスタジオが参加してるみたい。意外に国際色豊かな制作体制が組まれています。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月9日
『ロボット(完全版)』:それとこの映画、要所要所で「契約書」が出てきます。ヒロインが研究に没頭して逢ってくれない主人公に「恋愛契約書を破棄するわよ!」と突き付けるのがギャグなのか、本当にそんな契約関係がインドにあるのか、日本人である自分にはよく判らないんだけどw
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月9日
『ロボット(完全版)』:一見、話の展開に必要なさそうなのに、わざわざこういう場面をちょこちょこ入れてくるのは、それだけインド社会の市井の感覚として「あって当たり前」ということなのでしょう。まぁ、英国の植民地だったお国柄ですものね。インドの市井の法秩序観として、興味深かったですね。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月9日
『ロボット(完全版)』:例のYouTubeに掲載されたクライマックス・シーン( http://t.co/hBmOfWB5 )の衝撃で国内では知られることになった本作ですけど、それはこの映画の魅力のほんの一部でしかありません。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月9日
『ロボット(完全版)』:SF映画であり、恋愛映画であり、アクション映画であり、ミュージカルであり、怪獣映画から果ては法廷ドラマまで。純粋に面白さだけを追求してたら「娯楽の全部乗せ」になってしまったという、無茶苦茶だけど、その素直な情熱には、ちょっと感動せざる得ませんでした。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月9日
『ロボット(完全版)』:この映画は一般公開されている2時間19分のバージョンと、一部の劇場でのみ公開されている3時間のバージョンのふたつがありますが、絶対に3時間版を観に行くべきです。削られたシーンには、先の南米マチュピチュ遺跡ロケのシーンなどがあって、これはもったいない!
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月9日
『ロボット(完全版)』:渋谷TOEIでの完全版公開は6/15(金)まで。行ける方は是非、劇場に足をお運びいただきたい。そして、いろいろ既成概念をぶっ壊されてきてください。面白いものは面白い。それでいいのだ、と蒙を拓かされる、そんな素敵な映画でした。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年6月9日