『任侠ヘルパー』@地元のシネコン(12/11/23(fri)鑑賞)
任侠ヘルパー 映画パンフレット 監督 西谷弘 出演 草彅剛、安田成美、夏帆、風間俊介、黒木メイサ(友情出演)、堺正章(特別出演)、杉本哲太、宇崎竜童、香川照之
- 出版社/メーカー: 東宝
- メディア: おもちゃ&ホビー
- この商品を含むブログを見る
とりあえず『任侠ヘルパー』をレイトショーで予約。観た人の評判は悪くないのだけど、さて。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年11月23日
さて、『任侠ヘルパー』観に、映画館に向かいますか。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年11月23日
『任侠ヘルパー』:昨夜観てきました。良かった。素晴らしかった。韓流ノワールとかアジアン・ノワールとはまた違った、日本映画だからこそのノワール、あるいはハードボイルドの在り方を魅せてもらいました。日本映画はまだまだ戦えるよ!
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年11月24日
『任侠ヘルパー』:連休初日とは言え、公開2週目のレイトショーということもあってか、入りは2割くらい。草薙クン狙いか、客層は比較的若かった印象。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年11月24日
『任侠ヘルパー』:まぁ、しかしですね、「任侠」ときて「ヘルパー」ときたら、何となくユーモラスな語感に感じられて、何だか楽しい映画かな~とか思うじゃないですか。違います。全然、違います。地獄絵図です。それも私たちの生活のほんのすぐそばにある、「今そこにある絶望」です。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年11月24日
『任侠ヘルパー』:この映画は、「地方都市の衰退」「老人介護政策の破綻」「機能しない福祉政策」「そこにつけ込んで貧困ビジネスに喰い込む暴力団」という、まったくもって洒落にならん要素で構成されてます。すべて現実。それを何の誤魔化しもなく、真正面から描いてるので、かなりキツイ。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年11月24日
『任侠ヘルパー』:自分も認知症になった祖父を施設で亡くしています。施設では良くしていただいていたようでしたが、生前、あまり見に行ってやれなかったことを思い出し、それだけでもキツかった。加えて、要介護者を抱えた家族のどこにも逃げ場のないデッドエンド感がもう半端ない。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年11月24日
『任侠ヘルパー』:出所後、港町に流れ着いたヤクザ(草薙剛)が、地元の組に任せられたシノギが老人貧困ビジネス。年寄りに高利で金を貸して、返済できなくなったら自前の養護施設へ押し込み、年金を全額捲き上げる。作中の言葉を借りるなら「(年金老人を保管する)倉庫業」。生々しすぎる(--;)
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年11月24日
『任侠ヘルパー』:生きてくためのシノギの日々。だが、老人介護の現状とその周辺で圧し潰されてゆく人々と触れ合う内に、任侠の意地と怒りに火がつく。ボロボロの養護施設を入居者と立て直そうとするのだが…というお話。忍耐に忍耐を重ねて遂に─という構造は、おお、確かにこれは「任侠映画」!
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年11月24日
『任侠ヘルパー』:この映画の素晴らしいところは、キツイ話をキツイまま、たとえ辛くてもそれが現実だから、と容赦のない現実認知から始めている点。ハードボイルドの原点です。そこに嘘があっては、そこから示される希望にも説得力がなくなってしまう。よくぞここまで逃げずに描き切ってくれました。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年11月24日
『任侠ヘルパー』:それとこれはこの映画の凄味なのだけど、高額な保養施設に入れない貧困老人の行き場のなさと、それが結局こうした貧困介護ビジネスに向かわざる得ない絶望。そのどん詰まりの吹き溜まりが、だからこそ経営者と入居者の意識によって、楽園に転化しうるという希望を同時に描いている。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年11月24日
『任侠ヘルパー』:こうした社会的な批評性と提案を、きっちり「任侠もの」というエンターテイメントに落とし込んで提示してのける。凄い。本当に震えが来るほど凄い作品です。ただ絶望を描いているだけじゃないんだよね。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年11月24日
『任侠ヘルパー』:勿論、引っ掛かりを覚える点もなくはないです。まず人が死なない。韓国映画でこのテーマなら、もっと陰惨で底冷えのする展開になったはず。ヤクザ屋さんも拳銃はおろか、ドス一本出てこないし。まぁ、それは暴対法施行後の裏社会の風景を素直に反映しているとも言えるけど。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年11月24日
『任侠ヘルパー』:この辺は多分に、TV放映を意識したこの国のプログラム・バジェットの限界、という面もあろうかと思います。そもそも、本作はTVドラマの映画化作品ですしね。微温的にならざる得ない。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年11月24日
『任侠ヘルパー』:ただ、本作や『探偵はBARにいる』に感じられた、こうした微温的なハードボイルドって、自分は必ずしも嫌いではありません。だって、銃撃戦でバタバタ人が死んだり、刺身包丁でさくさく刺しあったりwされても、今の日本ではファンタジーになっちゃうでしょ。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年11月24日
『任侠ヘルパー』:微温的なら微温的なりの暴力の美学というものがあって、本作はそこに辿り着けているように感じられました。日本のプログラム・バジェットはこれでいいんです。無理してカッコつけて『ワイルド7』みたくなられるくらいならw、この微温さにこそ誇りと矜持を持つべきです。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年11月24日
『任侠ヘルパー』:そうしたこととは別に、本作の草薙剛は任侠映画の伝統を立派に背負いつつ、スタイリッシュでかっこよかった。長い手足をしなやかに伸ばして繰り出されるアクションは見栄えがしたし、愁いを帯びた端正な顔立ちはほれぼれしました。本作は間違いなく彼の代表作になることでしょう。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年11月24日
『任侠ヘルパー』:重ねて言いますが、いい映画です。現実とちゃんと向き合って、絶望と希望を逃げずに描いて、それをエンターテイメントとしてしっかり完成させた映画です。機会のある方は、ぜひ観に行かれますよう。本作はもっと評価されていい映画なはずですから。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2012年11月24日
- アーティスト: TVサントラ,河野伸,高見優
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2009/09/09
- メディア: CD
- 購入: 5人 クリック: 52回
- この商品を含むブログ (3件) を見る