『凶悪』@新宿ピカデリー(13/9/27(fri)鑑賞)
観る観ると言いつつ時間が取れずに先延ばしになってた『凶悪』の席を確保。これから劇場入りします。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2013年9月27日
『凶悪』観終わりました。……きっつい話ですわ。これも『任侠ヘルパー』と同じ地方の衰退と老いの問題で、倫理も何もかも簡単に吹っ切って「もう年寄りの命を金に変えるしかねぇじゃん」という悪魔の領域に踏み込んだ連中の話。またその境目が軽くて、安っすいんだよなぁ。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2013年9月27日
『凶悪』:ここで描かれてるのは、殺人という行為の軽さと同時に、地方警察の機能不全で、作中でははっきり指摘されてないけど、理由は明快。治安維持に金と人が全然足りてないのだ。警察に足りないだけじゃなく、コミュニティそのものに人が足りないので、隣組的な相互監視もままならない。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2013年9月27日
『凶悪』:だから警察も不審な遺体を発見しても、事件化しない。捜査するリソースなんかないから。安い理由で人を殺し、安い軽自動車の助手席に遺体を乗っけて、ちょっと市街地から外へ出れば、街灯もない鬱蒼とした山林で、深めに穴を掘って遺体埋めれば見つかりっこない。それで一丁上がり。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2013年9月27日
『凶悪』:これが今の僕らの国だ。これがすべてではないけれど、『あまちゃん』で描かれる人情豊かな地方像の裏で、無邪気な殺人鬼達が跳梁跋扈する無明の闇がそこには広がっている。判るよ。オレも地方出身者だもん。星明かりも届かぬすべてを塗りこめるような闇の奥に、何がいたって不思議じゃない。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2013年9月27日
『凶悪』:この映画で印象的なのは、埋れていた事件を一心不乱に追い、告発する雑誌記者の山田孝之で、熱心なようでいて視線が常に何を見ているのかよく分からない。目の前の現実より「事件」という物語に没入して、逃避しようとしているかのような印象がある。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2013年9月27日
『凶悪』:でも、人間、どこかに逃げ場がなきゃ持たないしね。それがたとえ、他人の悲劇であろうと。………そしてそうやってこの映画は、スクリーンの向こうから「娯楽」として、この闇を覗き込む観客に己の姿を見せつける。まぁ、見せてるだけで、だからどう、と責めてくるわけでもないんだけど。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2013年9月27日
『凶悪』:今のこの国でしか描き得ない、非常に素晴らしい暗黒映画(ノワール)でした。ちなみにピエール瀧とリリー・フランキーが実に楽しげに、生々しい殺人やら遺体損壊やらを繰り返すので、そういうのがあかん人は、やめといた方がいいと思います。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2013年9月27日
『凶悪』:ちなみに個人的に一番来たのは、瀧とリリー・フランキーが家族ぐるみのクリスマスパーティーで、みんな仲良く七面鳥の丸焼き喰ってるシーンで、だってその前のシーンがさぁ──。うう、もういいです。観たら判ります。うっかり笑っちゃう分、余計にダメージ大きかったっスorz
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2013年9月27日