『暗黒街最大の決斗』@ラピュタ阿佐ヶ谷(16/5/22(sun)鑑賞)
本日の映画3本目『暗黒街最大の決斗』@ラピュタ阿佐ヶ谷に劇場入りしました。1963年公開。鶴田浩二、高倉健主演のいつものアレwなんだろうとは思うものの、その範囲で今回はどこを落とし所にしてくるのかな。そこに注意して観てみましょう。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月22日
『暗黒街最大の決斗』観終わりました。鶴田浩二、高倉健主演なので、またいつものアレか……と思ったら、ちょっと捻ってきた(^_^) 鶴田浩二が米国帰りのカードのディーラーで、「任侠をぶっ潰しに日本に帰ってきた」とか言わせるとか、面白い。本質は一緒なんだろうけど。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月22日
『暗黒街最大の決斗』:伝統的ヤクザ団体の幹事を務める老松組のお膝元の東京で、愚連隊を組織して既存組織の賭博利権を奪う米国帰りのジョージ三鬼。米マフィアと手を組みつつ、旧友のカード・ディーラー大平健一(鶴田浩二)を日本に呼び寄せる。だが到着早々、何者かの銃撃を受ける。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月26日
『暗黒街最大の決斗』:同乗していた三鬼の部下が、彼と同じ格好をしていたことから、犯人は三鬼本人を狙ったらしい。激昂した三鬼は老松組の仕業と睨むが、老松組新組長の松岡真平(高倉健)が単身乗り込んできてそれを否定。だが、犯人を見つけ出して引き渡すことを、約束させられる。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月26日
『暗黒街最大の決斗』:三鬼と真平のやり取りを見ていた健一は、誰に頼まれるでもなく犯人を見つけ出し、老松組に突き出す。犯人は睦会武闘派の郷田組のチンピラで、老松組と三鬼の激突を目論んだものだった。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月26日
『暗黒街最大の決斗』:こうして一旦は事態が収まったものの、三鬼はマフィアの資金を元手に、本格的なに全国攻勢を開始する……と言うお話。実際にはもうちょっと細かくイベントが詰まってるし、この後も色々あります。脚本レベルで情報量が多いですね。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月26日
『暗黒街最大の決斗』:で、先のあらすじで触れられなかった重要な設定としては、鶴田浩二と高倉健は実は生き別れの兄弟で、実父の先代組長のせいで恋人を死に追いやられた鶴田浩二は組を飛び出して米国に逃げ、兄の代わりに堅気の大学生だった高倉健が跡目を継ぐことに。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月26日
『暗黒街最大の決斗』:そんな事情があるので、鶴田浩二は「任侠」を憎んでる。でも「家族(ファミリー)」への愛情は誰よりも深いので、呪詛としての「任侠」を「家族」から解呪(ディスペル)することが、帰国した彼の密かな使命となる。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月26日
『暗黒街最大の決斗』:しかし、鶴田浩二にはもうひとつ使命があって、若い米国放浪時代に行動を共にしていたジョージ三鬼を助けたいという想いもある。欲望の赴くまま、拡大路線を突っ走る親友の身を案じ、彼の命も救いたい。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月26日
『暗黒街最大の決斗』:結局、そのふたつの使命の間で揺れ動きながら悪戦苦闘する話なんだけど、終盤手前で家族の問題は片付いた(大きな犠牲は払ったが)ので、高倉健の存在意義が急になくなるという弊害がですな(爆 (出番自体はある)そこを分けちゃったのは、ちと惜しかったかな。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月26日
『暗黒街最大の決斗』:あとは本作での「悪」の描き方で、一番悪い奴は「関係性を操作する奴」で、情報を操って、対立を煽り、人々を死に導く者。『仁義なき戦い』の金子信雄ほどではないけど、東映はこの頃からそういう「悪」に言及していたのか。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月26日
『暗黒街最大の決斗』:この手の「悪」を描いたのは、これが原初と思わないけど、元ネタ辿ると、どこにたどり着くんでしょうね。時代劇で何かありそうでもあるけど。「悪」の文化史とか、なんか誰か本にしてないかな。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月26日
『暗黒街最大の決斗』:で、この話、ちょっと変則的な任侠ギャングものなんですが、コアになってる物語類型の骨組みをずるっと抜き出すと、いろいろと現代ものでも、ファンタジーものでも、どうとでも応用可能で、大変に魅力的です。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月26日
『暗黒街最大の決斗』:長く恵みをもたらしていた家業(ファミリー・ビジネス)の負の側面が構造化して、家族(ファミリー)を呪縛し、傷つけるようになった時、出奔して外部者(アウトサイダー)化した元王子が内部者(インサイダー)の現王子と手を携えて解呪(ディスペル)に挑む…。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月26日
『暗黒街最大の決斗』:そう考えると、現代ものなら本作と同じマフィアものでも、巨大財閥のビジネス物でも、田舎の酒造家の話でも、肉付け次第で何でもいける。ファンタジーでも時代劇でもやれるし、主役を誰にするかで語り口もどうとでも変えられる。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月26日
『暗黒街最大の決斗』:社会的呪縛と化して若い世代を苦しめている前の世代の資産を、どう解呪(ディスペル)して「善きもの」に転化するか……という物語と考えると、現代でこそ、この構造の物語を語る意義も生じてくる。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月26日
『暗黒街最大の決斗』:この映画の存在自体が、世代を超えた後の世に生きる我々がこの先人の「資産」をどう活かすか、という話にも通じてくる。ね、こうして考えると、古い映画は物語の宝の山でしょ。そこからどんなお宝を掘り出すか。発掘人(ガリンペイロ)の腕の見せ所です。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月26日
『暗黒街最大の決斗』:いや、まぁ、この映画自体は、暴走する親友の命を助けたい、という友情のお話として収束するので、観終っての印象としては、家族の物語(ファミリー・ロマンス)としての側面は薄れてしまうんですが。それはそれとして、再利用可能なネタは粛々と回収しましょう。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月26日
『暗黒街最大の決斗』:そんなわけで、この映画も勉強になりました。勿論、うまくいっていない部分も含めてね。しかし物語についての大概のことは、昔の邦画でやってるんだなと今日も再確認する映画なのでした。いやぁ、日々、勉強勉強。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月26日