『名もなき復讐』@シネマート新宿(16/7/6(wed)鑑賞)
本日の映画『名もなき復讐』@シネマート新宿に劇場入りしました。「反逆の韓国ノワール2016」で未見だった最後の作品。男たちにレイプされた元射撃選手の女性が、犯人を殺して廻る話だそうで。……お、おう(^_^;; #fr16_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) July 6, 2016
『名もなき復讐』観終わりました。彼女たちが堕ちる闇と地獄。出てくる男どもが基本的にクズかゲスで、ヒロインが人の道を踏み外してゆく道行を、丁寧に丁寧に踏んでゆく。しかも殺人を重ねるほどに、自信を得て美しくなるという(^_^;; 更にもう一段突き落とすラストがまた。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) July 6, 2016
『名もなき復讐』:射撃の代表選手だったジウンは交通事故で両親を失い、自らも言語能力に障害を負う。10年後、繊維工場の非正規労働者として、学生時代からの親友ともに働くが、正社員化をエサに身体を要求する工場長など、職場環境は劣悪。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) July 7, 2016
『名もなき復讐』:それでも出版社に持ち込んだ趣味のイラストが認められて、かすかな希望を抱くジウン。だが、通りすがりのチンピラ3人組にレイプされ、それを警察に届け出るも、担当刑事に偽証を疑われ、逃げるように帰宅する。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) July 7, 2016
『名もなき復讐』:しかし、自宅には、先ほど自分をレイプした男のひとりが先に待っていた。襲われた時に奪われた身分証明書をもとに、ジウンの自宅を見つけ出したのだ。再び押し倒されたジウンは、とっさに手近なもので男を殴り倒すが……というお話。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) July 7, 2016
『名もなき復讐』:で、そんな感じで最初のひとりは一応、正当防衛。ただ知り合った女刑事から、正当防衛の構成要件のハードルの高さに絶望して、殺した男を浴室でバラし(´Д` )、冷蔵庫に収まりきらない分を捨てに外へ出たら、悪徳刑事に見つかり…と雪崩落ちるように状況が悪化。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) July 7, 2016
『名もなき復讐』:そうやって、ひとり殺し、ふたり殺ししている内に、だんだん自信を取り戻し、自分の意志で殺しはじめる。「殺し」によって状況を自分の手でコントロールできることにことに、味をしめちゃうんですね。殺人という行為自体に快楽を感じてるようではないんですが。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) July 7, 2016
『名もなき復讐』:何かねぇ、段々ハードル下がってくんだよねぇ(^_^;; 最初は正当防衛なんだけど、次の悪徳刑事は素直に逮捕されてりゃ済んだ話だし、残りのレイプ犯はわざわざ探しに行って殺してる。親友を傷つけた男たちに至っては、誘い出して殺害。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) July 7, 2016
『名もなき復讐』:自分の意志で、状況を作り出して、殺す。その内、メイクして、一丁羅の綺麗な服に着替えて男たちを殺しに行く。……いや、まぁ、それが何の隠喩なのかは、あえて申しませんが(^_^;; #fr16_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) July 7, 2016
『名もなき復讐』:勿論、本来ならそんなに上手くいくわけないのだが、悪徳刑事を含めて、当初殺された男たちが皆、組関係者だったことで抗争事件と見込みを誤った警察によって捜査は迷走し、ノーマークのヒロインは殺人を重ねてゆく。この辺のすれ違い感の間合いは上手いな。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) July 7, 2016
『名もなき復讐』:もうひとつ、警察側の女刑事がいて、ヒロインを追いつつ、ヒロインの苦悩を女として、犯罪被害者の家族として、共感してゆく。それがラストの「二番底」に口を開ける絶望へと繋がるのだけど……いや、本当にそこまで突き落すのかという落ちでな。orz #fr16_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) July 7, 2016
『名もなき復讐』:ちょっと惜しかったのが、親友の扱いで、単に「仲の良いお友達」で済まない、罪悪感や捻れた憧れを孕んだ、抜き差しならない女の友情っぽい設定が仕込まれてた割に、女刑事との関係の方に焦点が向いてしまったのは勿体無かった。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) July 7, 2016
『名もなき復讐』:でも一般人の親友が相手だけだと、世界観が社会化しないしな。1クールくらいのドラマだと、その辺、深掘りできたのかもしれないけど。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) July 7, 2016
『名もなき復讐』:まぁ、基本、出てくる男どもはクズかゲスで、女に暴力振って、喰い物にするロクデナシ揃い(´Д` )。この映画だけ観ると男性嫌悪の映画のようにも見えるんだけど、他の韓国映画では、男たちこそ、そうした男性原理の自家中毒に苦しむ姿をずっと描いてきたわけで。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) July 7, 2016
『名もなき復讐』:そうした文脈で語られる韓国社会の暗黒面を、この映画では女性目線で描いているのだ、と捉えると、もっと普遍的なものへの怒りを込めて撃つ映画のように、男性である自分は観ました。いや、似たような社会構造なんだから、日本でだって成立する話だよ、これ。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) July 7, 2016
『名もなき復讐』:社会から踏みにじられた弱者の転落が、社会自体への報復として起爆する瞬間と、それが周囲の魂に共鳴して誘爆してゆく瞬間の物語として捉えると、性別や国を越える普遍性をもった物語として、観る者の胸に刺さってくる。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年7月7日
『名もなき復讐』:きつくて辛くて、救いはないけど、絶望と怒りが哀しく胸に突き刺さる、いい暗黒映画(ノワール)でした。機会がありましたら、是非。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年7月7日