『めぐり逢わせのお弁当』@シネスイッチ銀座(14/8/16(sat)鑑賞)
『めぐり逢わせのお弁当』@シネスイッチ銀座に劇場入りしました。何か女性客でいっぱいで、立見だって。そんなに人気あるのか、この映画(^^;;
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2014年8月16日
『めぐり逢わせのお弁当』観終わりました。お弁当箱の誤配から始まる、専業主婦と退職間際の独身サラリーマンの、ロマンス未満の淡いつながりと心の機微を描く映画。非常に抑制的な演出で、台詞で説明するより些細な芝居の積み重ねで、雄弁に内面を語る映画でした。
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2014年8月16日
『めぐり逢わせのお弁当』:まずこの映画の話をする前提として、インド特有のお弁当配達サービスというのがありまして、奥様が作ったり、近所の定食屋に作らせたお弁当箱を旦那様に届けて、食べ終わったら回収して、奥様の手元に戻すということをやってるわけです。
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2014年8月16日
『めぐり逢わせのお弁当』:これが最新のICタグなんか出来る遥か昔からあって、しかも誤配がほとんどない。実際にやってるのを見ると、結構雑に受け渡しされてるっぽいんですが。どうも「パケット通信と同じ理屈」らしいです(^^;;
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2014年8月16日
『めぐり逢わせのお弁当』:で、その「誤配がない筈なのに、間違ってお弁当が届けられたら?」と言うのが、この映画のキモ。「誤配」を巡る物語なんですね。別の背景としては、インドでの都市化の進展に伴う、都市生活者の孤独がある。「誤配」でもなければ、新たな繋がりはなかなか生まれないよね。
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2014年8月16日
『めぐり逢わせのお弁当』:お話は、互いに顔も声も知らない相手との、お弁当箱を介した往復書簡のやり取りで、その過程で、互いの境遇だとか心情が少しづつ語られる。奥様の過程は核家族だし、男の方も妻を亡くした男やもめ。インドでもこういう映画が成立するようになったんですねぇ。
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2014年8月16日
『めぐり逢わせのお弁当』:まぁ、インドといっても広いので、田舎ではまだまだ大家族主義が幅をきかせてるんだろうけど、都市部では西側社会と共通の都市生活者の分断と孤独が進んでる。「都市」は「機能」をテーマに構成されている場だから、それ以外の繋がりが失われやすい。
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2014年8月16日
『めぐり逢わせのお弁当』:まぁ、繋がりが多ければ多いなりに、その繋がり経由でトラブルが舞い込む確率も高くなるし、あれやこれやのしがらみで身動きも も取りづらい。それが嫌で若者は都市へと逃げるんだけど、核家族で専業主婦やってて、旦那様と疎遠になったら、そりゃきついわなぁと。
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2014年8月16日
『めぐり逢わせのお弁当』:その辺の煮詰まりに風穴を開けてくれるのが、この「お弁当箱の誤配」で、あり得ないからこその、物語のキモとなる「幻想(ファンタジー)」たり得るわけですね。
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2014年8月16日
『めぐり逢わせのお弁当』:いや、まぁ、こちとらも40過ぎの男やもめで、朴念仁で通してきたくせに「ロマンスの可能性」にちょっとそわそわしたり、自分の歳を思い出してはたと我に還ったり、とか、そういうのが痛く刺さる歳に自分自身がなったのだと気づかされるのが、一番痛かった!(爆<知らん。
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2014年8月16日
『めぐり逢わせのお弁当』:もちょっと続きます。そんなわけで、万国共通の都市生活者の悲哀と希望(「絶望」とも言えるけど)を丁寧に拾っていて、刺さる人にはざくざくぶっ刺さると思います。特に、普通の作劇なら「最終章」に当たるパートをばっさり切り捨てて、すぱっと終わるのでその印象が強い。
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2014年8月16日
『めぐり逢わせのお弁当』:一般的な「物語」としての結末をつけないまま、断ち切るように物語が終わるので、もやもやとしたものが残る。それに対する賛否はあるんだろうけど、主人公ふたりの関係性をあのまま突き詰めても不毛な気もするし、その分、強い印象にもなったので、自分的には「有り」かな。
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2014年8月16日
『めぐり逢わせのお弁当』:インド映画とインド社会の多様性を感じさせられるいい映画でした。都内では、今のところシネスイッチ銀座のみの単館上映ですが、機会のある方は是非。
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2014年8月16日