『SHARING』@池袋新文芸坐(16/7/24(sun)鑑賞)
本日の映画『SHARING』@池袋新文芸坐に劇場入りしました。監督トークショウ付き。どうも心理学テーマのミステリーらしいんですが、あらすじだけ眺めてるとよく判らないので、直接この目で確認に来ました(^_^;; #fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年7月24日
『SHARING』観終わりました。311後、核災害後の私たちが、災害と、被災地と、被災者と、どう共感(SHARING)
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年7月24日
してゆくべきか、というお話。ただ闇雲に共感や同情しろという話ではなく、そこで生じる葛藤や矛盾にも言及してるので、一筋縄なお話ではないです。#fr16_n
『SHARING』:大学の社会心理学講師で研究者の瑛子(山田キヌヲ)は、震災後、「震災前に震災を予知していた」人々の証言を集めていた。別にオカルト的な興味ではなく、震災の社会的ストレスが、感受性の高い人々の記憶を書き換える現象を研究するためだ。#fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年7月26日
『SHARING』:卒業公演の演劇に、「震災を題材とする舞台を演ずる劇団員たち」を選んだ女子大生の薫(樋井明日香)は、稽古を通して重層的なメタ構造を身体化してゆく内に、舞台の登場人物と一体化し、更に薫は震災当日の被災地の母娘の夢を幻視する。#fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年7月26日
『SHARING』:バッグを抱えて大学構内を徘徊する「彼」。自らの分身(ドッペルゲンガー)の幻影を視る「彼」は、ポケットの中のスウィッチをもてあそびながら、それを押すべき場所、押すべき瞬間を探して構内を彷徨う。……という3つの視点が絡み合うお話。#fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年7月26日
『SHARING』:監督の篠崎誠は、職業監督であると同時に立教大学教授でもあり、本作は立教大学の学内制作という体の作品。ただ俳優や特撮など、学外のスタッフの方が多いので、別に学生映画というわけではありません。でも作中のシーンの8〜9割は構内で撮影されてる印象。#fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年7月26日
『SHARING』:大学構内の直線を多用したソリッドで立体的な絵空間とか、教室からドアを隔てて外へ出るだけで、ガラッと空間のパースペクティブが変わるダイナミズムはそれだけで楽しかったです。学内映画なので、ロケ費ゼロだしw #fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年7月26日
『SHARING』:ジャンルとしてはホラーやミステリーというより、心の変容を描く心理映画でしょうか。脚本家の三宅隆太氏によれば「心霊映画」(心の機微や不思議を描くという意味で)だそうですが。論理が通じているか、ではなく感情のうねりに沿って映画は描かれる。#fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年7月26日
『SHARING』:表現手法やスタイルについてはともかく、この映画は震災のイメージを巡るお話です。恋人を震災で亡くした瑛子が「震災の予知」に拘るのは、関係がないはずはない。震災をテーマとする舞台を演ずる薫は、被災者でもその身内でもないことに葛藤する。#fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年7月26日
『SHARING』:国家的、民族的規模の厄災があった時、その犠牲を痛ましく思い、悲しみを社会で共有(シェア)することを否定する人は、まずいないと思う。だが、それは具体的には、どこまでが正しく、どこまでが許されるのか。#fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年7月26日
『SHARING』:それは、他者の悲劇を、都合よく消費しようとしているだけなのではないか。あるいは逆に、会ったことも、実在するかも判らない他者に入れ込み、衰弱して己を見失うまで感情移入することが正しいのか。#fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年7月26日
『SHARING』:それは、震災をテーマとするか否か以前に、あらゆる創作活動につきまとう葛藤そのもの。なろうで連載してる異世界転生のチート主人公の小説だって、現実の欠片を作者の価値観というフィルターを通して組み直したものです。それが、どんなに荒唐無稽なものでも。#fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年7月26日
『SHARING』:自分はそこら辺はいい加減だし、そうあるべきと思っているから、思い入れしすぎないように注意してはいるけど、自分が書いているふざけたアクション小説の遠く遠く彼方に、実際の暴力に泣き、苦しみ、抗う人々がいることを、うっすらと意識するようにしています。#fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年7月26日
『SHARING』:そうした現実の悲劇を「素材」とし、咀嚼し、消化して、「私の物語」として組み直して消化(昇華)することの原罪性と創作者は無縁では在り得ない。それでも、私は罪深いエゴイストだから、現実を喰い散らかして物語を書く。#fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年7月26日
『SHARING』:それに、私ごときの物語だって、何かの間違いで誰かの何かの感情を救うことだってあるかもしれないから。……自分はそうやって答えを出してしまったので、それ以上、考えるのを止めたけれど、この映画はそのことを考えてゆく映画です。#fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年7月26日
『SHARING』:その答えは、一人ひとりが自分で出さなくてはならないものだから、この映画も、何かの答えを押し付けるものではないです。そんなわけで、創作活動を通じて、社会の中で悲しみや喜びを分かち合う(SHARING)こと、そのことを改めて考えさせられる映画でした。#fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年7月26日
『SHARING』:それはそれとして、戦後の日本人は、戦争というあの大厄災を娯楽(エンタメ)として消化を始めたのは、いつ頃からなんだろう。『ゴジラ』が1954年で、アレが戦争や空襲のメタファーであることは、誰が観ても明白だったわけで。#fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年7月26日
『SHARING』:こないだ観た『お転婆三人姉妹 踊る太陽』(1957)では、「空襲で奥さんを亡くして以来、独身の先生」が出てきてて、それを「まぁ、おかわいそう。でもそれなら、お母様の後添えにぴったりね」と笑顔で流してた(話自体はミュージカル・コメディ)。#fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年7月26日
『SHARING』:あの当時の日本人の感性の問題なのか、災厄からの時間的な距離の問題なのか、災厄の規模が桁違いで国民平等に降り注いだからなのか。そしていつか、私たちも震災を娯楽(エンタメ)で自然に触れることができる日が来るのか。そんなことを考えながら観た映画でした。#fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年7月26日
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