『散弾銃(ショットガン)の男』@神保町シアター(15/9/11(fri)鑑賞)
本日の映画『散弾銃(ショットガン)の男』@神保町シアターに劇場入りしました。1961年公開、鈴木清順監督、二谷英明、芦川いずみ主演。……例によって、情報量はその程度なんですが(^^;;
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年9月11日
『散弾銃(ショットガン)の男』:いや、鈴木清順だから、何かやらかしてくるだろうとは身構えてたけど、凄いもん観たわ。1960年代の日本とまったく地続きの世界で、しゃあしゃあと「西部劇」をやる(爆 ……いや、何言ってるんだかよく判らんだろうけども、そういう映画です(^^;;
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年9月11日
『散弾銃(ショットガン)の男』:荒れくれ男どもの集う山奥の製材所に、散弾銃(ショットガン)を背負ったひとりの男(二谷英明)がやってきた。腕っぷしの強い男は、さっそく製材所の男たちに実力を認めさせる。だが、製材所にはお尋ね者の犯罪者3人組がいて、男を警察ではないかと疑い始める。
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年9月11日
『散弾銃(ショットガン)の男』:男はどうやら訳ありのようで、バーのマダムが客から巻き上げた真珠のネックレスに強い関心を示す。一方、製材所の所長は、囲っていたお尋ね者たちを疎ましく男とバーの用心棒を使って、男たちの排除を目論むが……というお話。
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年9月11日
『散弾銃(ショットガン)の男』:ええとですねぇ、アバンでいきなり材木積んだ山岳鉄道の客室で、当たり前のようにショットガン抱えて横になってる二谷英明が、酔っ払いに絡まれたヒロイン(芦川いずみ)をさらりと助けた時点で、「はて、ここは日本だろうか?」と首を傾げるわけですよ。
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年9月11日
『散弾銃(ショットガン)の男』:オープニングが終わって濃密な緑に覆われた深い山奥。ろくに舗装もされてない山道を日本語の商店名が書き込まれた軽トラが出てくるので、「現代日本らしい」とは思うのだけど、公然とショットガン背負った主人公を「猟師なんだ」のひとことで納得する村のおっちゃんw
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年9月11日
『散弾銃(ショットガン)の男』:そして木々の間から主人公に襲いかかる男たち。小汚い労働者風の男たちは、紛れもなく日本人であり、日本語を喋り、(当時の)日本の衣装なんだけど、日本の田舎の人たちって、こんなに荒っぽかったかなぁw
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年9月11日
『散弾銃(ショットガン)の男』:どう見ても殺る気満々の襲撃だったけど、あっさりと主人公にぶちのめされるや態度を改め、製材所の食堂に案内する男たち。男たちは製材所の作業員たちだったのだ。そこへやってくるお尋ね者たち。ナイフ投げから、銃の突き付けあいまで簡単にエスカレートw
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年9月11日
『散弾銃(ショットガン)の男』:ここで誰も銃を持ってることに疑問を呈さないw 更にこの前のシーンで、製材所所長の口にする「私設保安官」なる単語の不穏な響き! どうも我々の知る60年代日本とは違うようなのだけど、サロンパスとかチキンラーメンとか、普通に出てくるしなぁw
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年9月11日
『散弾銃(ショットガン)の男』:結論から言うと、「現実と地続きの世界観で『西部劇』をやる」というコンセプトの映画で、現実改変はそれを阻害する範囲内に留めてる。だから、日本の藁葺き屋根の家屋とか、田んぼとか出るし、決戦は波打ち際の決闘だw でも、これは「西部劇」なのだ。
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年9月11日
『散弾銃(ショットガン)の男』:いや、この映画を観てると、西部劇に限らず、我々はジャンル映画を観るとき、何を持ってその映画をその「ジャンル」と定義しているのか、ちょっと考えこんでしまう。設定か、舞台か、物語の構造か、キャラの関係性か。そのジャンルの本当の中核的価値とは何だろう。
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年9月11日
『散弾銃(ショットガン)の男』:この映画で鈴木清順は、西部劇に観客が感じる「面白さ」を抽出して、60年代の日本に移植するという、悪魔的な外科手術を成功させ、更にそこから転じて日本独自の無国籍アクションの世界観を確立させることに繋げていったことになる。そういうマッドな実験作なのだ。
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年9月11日
『散弾銃(ショットガン)の男』:いや、この映画単体は、愚直なまでに「西部劇」のテンプレートに準じて撮られてます。そういう「実験」なので。あえて言えば、純日本的な舞台や役者と「西部劇」との差異や違和感がお楽しみポイントというか。「普通」なことが、「前衛」になってるというか。
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年9月11日
『散弾銃(ショットガン)の男』:マンガでもライトノベルでも、こういう「実験作」を経て、新しいジャンルの勃興へと繋がってゆくんだよね。そういう映画史の流れが小さく変わる分岐点のような作品で、大変興味深かったです。いやぁ、まだまだ昔の日本映画は発見が多くて楽しいね!
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年9月11日
『散弾銃(ショットガン)の男』:あとちょっとだけ。この映画の存在が何を示してるかというと、60年代の日活無国籍アクションが、既存の娯楽映画の要素を解析して「人工的に創造された」という事実です。いやいやいや、そんなん可能なわけないじゃん!でも鈴木清順に関しては、たぶん偶然ではない。
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年9月11日
『散弾銃(ショットガン)の男』:60年代の日本映画に感じる工学的な無駄のなさって、もしかするとそういう所から来てるのか。まぁ、その後、最終的に鈴木清順の映画の分析と抽象化、理論化の才能は娯楽の領域を突破し、アートの領域に突入し、日活を追い出されるわけだけども。化物は化物ですな。
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年9月11日
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