『戦争と人間 第1部 運命の序曲』@池袋新文芸坐(16/8/16(tue)鑑賞)
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- 発売日: 2015/08/04
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本日の映画2本目『戦争と人間 第1部 運命の序曲』@池袋新文芸坐に劇場入りしました。1970年公開。五味川純平原作、山本薩夫監督。戦争へと傾斜してゆく戦前日本と財閥一族の愛憎のドラマを描いた大河ドラマです。#fr16_n pic.twitter.com/F8KwS7CUC2
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年8月16日
『戦争と人間 第1部 運命の序曲』:とりあえず、張作霖爆殺までで、前半終了。現在、休憩タイムです。大財閥の一族から、軍人、活動家や市井の人々まで。善人悪人問わず、あの時代の日本と中国を丸ごと描いてやろうという意気込みが迸っていて、本当に素晴らしいですね。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年8月16日
『戦争と人間 第1部 運命の序曲』観終わりました。大陸市場への進出に賭ける新興の伍代財閥の一族とその周辺の人々が織りなす大河ドラマ。原作からそうなんですが、日中戦争史に関する情報密度が凡百の戦争映画とは一線を画するほど高く、細かな紛争や衝突、暴動まで拾ってます。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年8月16日
『戦争と人間 第1部 運命の序曲』:いや、関東軍の木っ端参謀の名前ぐらいまでならともかく、当時の中国軍閥の名前とか係累のネタとか、テロップもなしにしれっと台詞で流すからね。関連資料を漁れば漁るほど、物語に旨味を増す構造になってます。うわー、あのネタも使うのか的な。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年8月16日
『戦争と人間 第1部 運命の序曲』:だいたい、伍代家長女・由紀子(浅丘ルリ子)と軍人の柘植(高橋英樹)のラブシーンなんか、台湾の霧社事件(原住民による暴動事件)について語りながらだからね。非常に濃密な政治・社会状況を、ストーリーに練り込んでくる。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年8月16日
『戦争と人間 第1部 運命の序曲』:その辺は、原作を読むと特にその印象は深くなって、台詞やドラマパートを除くと、地の文の密度は専門書レベルに濃いです。ただ、ドラマパートで娯楽(エンタメ)に徹してるので、専門的な描写を理解できなくても、充分に面白い。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年8月16日
『戦争と人間 第1部 運命の序曲』:基本的に、この映画での満州は、割と簡単に人が死ぬバイオレントな大地として描かれてて、かつ人死に善悪好悪は関係なく、死ぬ奴が死ぬだけ、というハードボイルド世界。日本人の間でも、ちょっと気を抜けば謀殺されかねない。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年8月16日
『戦争と人間 第1部 運命の序曲』:その地で、日本人、中国人、軍人、軍閥、商社から、登場する人物一人ひとりの価値観や哲学、行動理念がはっきりと語られ、その多種多様な価値観の混沌がうねり(グルーヴ)となって、物語をドライヴさせる。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年8月16日
『戦争と人間 第1部 運命の序曲』:原作者の五味川純平は、現地徴兵された満州でソ連軍の侵攻と遭遇し、命からがら帰還した人で、軍国主義への激しい怒りを行間に滲ませる作家さんなんですが、基本、資料ベース、数字ベースの理詰めで詰めてくるタイプ。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年8月16日
『戦争と人間 第1部 運命の序曲』:だから、軍国主義を憎くむと同時に、その当事者の戦略観、政治観、論理構造を逃げずに捉えている。断片的に耳を傾ければもっともらしく聞こえるし、別に頭ごなしに理想論で否定するわけでもないです。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年8月16日
『戦争と人間 第1部 運命の序曲』:ただ、後世の観客である私たちは、その論理の行き着く涯(はて)を知っている、というだけで…。ともあれ、簡単な線を引いた図だけで、満鉄の輸送力を軸にした日本の満州権益と、それに対する中国側の対抗戦略を示してのけたシーンは見事でした。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年8月16日
『戦争と人間 第1部 運命の序曲』:あれは、映像化した山本薩夫のセンスだろうけど、あれ一発で、日本と中国の大陸権益がどう対立してたのか理解できたもん。最近の邦画で不足しがちなのが、こうしたマクロ視点の説明能力なんだよね。この映画は、こうしたマクロ説明に溢れています。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年8月16日
『戦争と人間 第1部 運命の序曲』:今回の映画では、第1次上海事変まで。そこに至るまで、既に何人かの登場人物が命を落とし、その哀しみを受け継ぐ次の登場人物たちの運命も捲き込んで、歴史はそのうねりを増してゆく。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年8月16日
『戦争と人間 第1部 運命の序曲』:歴史を、あの時代を、あの頃の日本と中国を、全体(マクロ)から個人(ミクロ)まで丸ごと捉えてドラマ化しようという稀有壮大なこの試みは、今こそ日本人が観るべきドラマではなかろうか、と思います。機会がある方は、是非。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年8月16日