『白昼堂々』@ラピュタ阿佐ヶ谷(17/1/2(mon)鑑賞)
本日の映画2本目『白昼堂々』@ラピュタ阿佐ヶ谷に劇場入りしました。1968年公開。渥美清、倍賞千恵子主演。万引き集団vs警察の攻防戦を描く、クライム・コメディだそうですが、さて。#fr17_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) January 2, 2017
『白昼堂々』観終わりました。渥美清と藤岡琢也のコンビ率いる万引き集団の警察との攻防戦のお話。監督は『砂の器』『八つ墓村』の野村芳太郎。代表作はミステリーが多いですが、コメディも結構撮ってるんですね。今回も冒頭でコント55号の萩本欽一と坂上二郎が出てきますが。#fr17_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) January 2, 2017
『白昼堂々』:元スリで今は更生して東京のデパートで万引き対策員をしている富田銀三(藤岡琢也)は、たまたま訪れた北九州・小倉駅で、スリに失敗した若い娘ユキを助ける。訊けば、昔馴染みのスリのワタ勝こと渡辺勝次(渥美清)の配下だという。#fr17_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2017年1月5日
『白昼堂々』:ワタ勝は筑豊のボタ山集落に残った男女を見捨てられず、スリの手口を指導して各地に派遣しているのだという。とは言え、スリの仕事もリスクが大きく、煮詰まってきた…と銀三にこぼすワタ勝。そこでうっかり「万引きならそんなにリスクはないで」とアドバイスしてしまう。#fr17_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2017年1月5日
『白昼堂々』:それから数ヶ月後、上京してきたワタ勝一家は、銀三の勤めるデパートで腕前を披露。呆れる銀三に盗品の現金化の手配を頼み込む。ボタ山集落住民の生活がかかってると泣き落としされ、妻の経営する店が上手くいってないこともあって、銀三は渋々ワタ勝の依頼を引き受ける。#fr17_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2017年1月5日
『白昼堂々』:そこから更に月日は流れ、美人スリのよし子(倍賞美恵子)も参加し、ワタ勝一家の犯行は全国規模に拡大。チームワークを発揮して荒しまわる彼らは向かう所敵なしだったが、警視庁のベテラン刑事・森沢がその犯行に気づく。#fr17_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2017年1月5日
『白昼堂々』:ワタ勝や銀三とも古い顔見知りの森沢により、一家は着実に追い詰められてゆく。逮捕された仲間の弁護士費用にも窮したワタ勝は、最後の大勝負として、デパートの売り上げをごっそり狙う大博打を計画するが……というお話。#fr17_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2017年1月5日
『白昼堂々』:実話ベースのお話だそうで、同じ元ネタを使った植木等主演の映画もあるそうです。そういや、自分の子供の頃は、まだ集団スリとか集団万引きの記事をたまに新聞で見たような気がするけど、80年代には見なくなったような……。まぁ、今でも探せばあるのかもしれないけど。#fr17_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2017年1月5日
『白昼堂々』:よく出来たお話の多くがそうであるように、この映画ではいくつもの物語構造のレイヤーが重層的に重ねられていて、切り口がいくつもある。まずワタ勝一家の素性が廃坑のボタ山集落の住民で、身障者や在日朝鮮人などを含む世間から見捨てられた者たち。#fr17_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2017年1月5日
『白昼堂々』:その彼らの仕事先が都会のデパート。デパートが豊かさの象徴だった時代ですから。作中で露骨に言及はされていないけど、辺境から世界の中枢への復讐、もしくは富の奪回という構造で、地方の観客や疎外感を抱く観客は喝采をあげたことでしょう。#fr17_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2017年1月5日
『白昼堂々』:もうひとつは、この映画は「家父長(お父さん)」のお話でもあって、ワタ勝はボタ山集落のリーダーとして、銀三も家族を養うため、万引き事業にのめり込んでゆく。勿論、倫理的にも、持続性的にも間違っているし、詰めの甘さでやがて警察に検挙されてしまうのだけど。#fr17_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2017年1月5日
『白昼堂々』:だから、彼らが固執する家父長の役割は、未成熟でいっそ幼いとさえ言える。けれどそれだけに、追い詰められて、家父長たり得なくなった彼らが困惑する姿が、世の「お父さん」たちの胸をうつ。#fr17_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2017年1月5日
『白昼堂々』:世の中のどの「お父さん」も、そんなに自信を持って「お父さん」をやってるわけでもないのだから。それと同時に、彼らは「少年」でもあって、困っている幼馴染を見捨てることはできないし、だれもやったことのない大仕事には、ワクワクしてしまう。#fr17_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2017年1月5日
『白昼堂々』:ラス前、ワタ勝と銀三が水上バスの上で会うシーンで、その辺の「少年」と「お父さん」の矛盾と相克と、そしてある種の愚かさと可愛げを見事に描いていて、泣かせるのです。#fr17_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2017年1月5日
『白昼堂々』:もうひとつ、銀三が連れてきた美人スリの倍賞美恵子。良いとこのお嬢だったのが、幼い頃からの盗癖がやめられず、それで二度も離婚して、開き直って一匹オオカミの万引き師を気取っている。最初は田舎者揃いのワタ勝一家に、都会の作法を教えるためにと請われて参加する。#fr17_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2017年1月5日
『白昼堂々』:この倍賞美恵子に惚れ込んだワタ勝が結婚を申し込む。あれ? このふたり、『男はつらいよ』では兄妹だったはずだが(^^;; この時、倍賞美恵子が言い出すのが、期間限定の「契約結婚」。何と、21世紀の『逃げ恥』と繋がった!<そうか?(^^) #fr17_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2017年1月5日
『白昼堂々』:全般的なトーンとしては喜劇ベースなんだけど、この時期の邦画喜劇は隙間なくネタや小芝居を詰め込んでいて、情報量が多く、そこに乗っかって眺めてるだけでも楽しい。#fr17_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2017年1月5日
『白昼堂々』:楽しさとペーソスのブレンドが絶妙なだけに、これでもうちょっと情緒が勝ったりすると、後の邦画のように観れたものではなくなってしまうのだろうけど。ともあれ、よくできた昭和のクライム・コメディとして楽しめました。機会がありましたら、是非。#fr17_n
— 義忠@夏コミ申込準備中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2017年1月5日
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