『陽のあたる坂道(1958)』@池袋新文芸坐(18/03/06(tue)鑑賞)
陽のあたる坂道 元歌:石原裕次郎 Covered by Takechan
本日の映画『陽のあたる坂道(1958)』@池袋新文芸坐に劇場入りしました。1958年公開。何度か映画化されている原作の初映画化版。石原裕次郎主演のファミリードラマで、上映時間は3時間半という(^^;; 今回は先ごろ亡くなられた川地民夫の追悼特集で、この映画がデビュー作なんだそうです。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月6日
『陽のあたる坂道(1958)』:前半終了後の休憩時間中。秘密を抱えた資産家一家のお話……なんだけど、割とあっさりと「秘密」のネタは明らかにされ、論理的で爽やかな家族会議であっけなく落着する。……これで後半、何やるんだ?(^^;; #fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月6日
『陽のあたる坂道(1958)』観終わりました。自分や相手の思っていることを、何でも心理分析を交えて論理的に説明してしまう家族のお話(爆 ……変な家族だけど、作中でもヒロインに充分「変だ」と思われてるので、別にこれがこの時代のスタンダードだったわけではありません(^^;; #fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月6日
『陽のあたる坂道(1958)』:寝る前にこれだけは書き残しておきますが、この映画はヒロインの女子大生家庭教師の北原三枝が美人で、女子高生の妹キャラの芦川いづみが超絶可愛いく(お下げ髪の学生服姿もある)、ふたりがきゃっきゃうふふと姉妹的にいちゃつく映画でもあるので、そこもおススメw #fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月6日
『陽のあたる坂道(1958)』:資産家の田代家の子供たちは、医師の卵で優秀な長兄・雄吉(小高雄二)、画家志望の次男・信次(石原裕次郎)、女子高生の末娘・くみ子(芦川いづみ)の三人兄妹。くみ子の家庭教師として、田代家宅に雇われたたか子(北原三枝)は、さっそくに信次にからかわれる。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月7日
『陽のあたる坂道(1958)』:自分たちのコンプレックを家族の前であっけらかんと告白しあう三兄妹に面食らうたか子だったが、すぐにくみ子と仲良くなり、田代家に通うこととなる。しかし、この家族には、ある秘密があったのだった……というお話。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月7日
『陽のあたる坂道(1958)』:いや、まぁ、「秘密」つーか、次男の出生の秘密なんですが、ストーリー的には特に隠す気もないらしく、さっさと開示され、挙句に前半ラストの家族会議で爽やかに解決してしまいました(爆 基本、家族全員が善人で頭がいいので、物分かりが良くて察しが早い。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月7日
『陽のあたる坂道(1958)』:普通ならエゴ剥き出しでぶつかり合って、ドロドロとした遺恨まみれになりそうな所を、「ははは、そんなこと考えてたのかー、こいつー」とか「パパもそこは率直に反省するよ」みたいにさらっと解決して、めでたしめでたし。最後は合唱して絆を深め合う一家。うーん。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月7日
『陽のあたる坂道(1958)』:この家族には、他にも「秘密」があるんだけど、それも後半早々に開示される。別に「秘密」を探るお話ではないんだよね。ただそれが開示された時点から、あるべき落着点に向けて物語が動き出す。だから物語の発起点として「秘密」があるという。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月7日
『陽のあたる坂道(1958)』:そんなわけで「秘密」を発起点に、登場人物間で葛藤が生じて物語は新しい展開を始めるのだけど、その葛藤を全部セリフで吐き出したり、分析した相手の心理を面と向かって本人にぶつけたりしながら、ガンガン解決してゆく。……お、おう(^^;; #fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月7日
『陽のあたる坂道(1958)』:健全な人間関係……というか、究極に不健全な人間関係というか。こんな家族関係、イヤだよ(^^;; 結局、その辺のひずみを長男が一身に負って、物語後半で若干サイコパス的な振る舞いを始めます。具体的には女性関係のやらかしなんだけど。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月7日
『陽のあたる坂道(1958)』:これなー。作中では、ちょっと度が過ぎた「やらかし」みたいな表現でさらっと流してるけど、現代だったら明らかなDVで、一発で観客からクズ認定されるような酷い話でさぁ。加えてその責任を弟になすりつけようとする。弟本人も母親も、それを承知で受け入れる。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月7日
『陽のあたる坂道(1958)』:一見、明るく健全な家族が、深刻なひずみを内包していて、外部からの来訪者であるヒロインの存在が、その地獄のような関係性のサイクルからの突破口となる……と捉えると「嫁入物語」の変種と捉えてもいいのかな。まぁ、当人にその自覚なさそうだったけどw #fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月7日
『陽のあたる坂道(1958)』:家族というのは、どの家族も、家族を家族たらしめる「秘密」があって、それ故にそれぞれに「変」です。いずれそこにパラシュート降下するように「お嫁入り」しなくてはならない女性自身にとっては、それとどう向き合うかは切実な人生の課題となる。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月7日
『陽のあたる坂道(1958)』:古今東西、女性向けコンテンツで、こういう「嫁入物語」のニーズが絶えないのは、その辺の普遍的な事情があるのかな。ただ50年代の本作で既にヒロインは家庭教師だし、80年代の『前略・ミルクハウス』辺りだと下宿の管理人と必ずしも「お嫁さん」ではなくなってる。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月7日
『陽のあたる坂道(1958)』:家族関係の在り様が変われば、ヒロインの立ち位置も変わってくる。このまま家族の枠組みが弱くなってゆけば、更に形を変えてより普遍的な「稀人(まれびと)もの」へと発展解消してゆくのだろうか。ここから「家族と物語」がどう繋がってきたのかも興味深い。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月7日
『陽のあたる坂道(1958)』:あと、何だかんだと言いつつ、出てくる3人(年上エリート、同年代のちょい不良画家、歳下のジャズボーカリストの3人!)の男性がヒロインに好意的に接してきたり、可愛い美少女の妹が懐いてきたり、これまんま現代の少女マンガでも通用するのでは(^^) #fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月7日
『陽のあたる坂道(1958)』:それと「え? そこまでセリフで起こすの?」というくらいセリフ過多だったな。邦画のセリフ過多はTVドラマの影響かと思ってたけど、それとは別の系譜もあるんですね。当時の富裕層の日常会話のリズム感と相まって、ちょっと不思議な言語空間です。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月7日
『陽のあたる坂道(1958)』:ちなみに本作は1967年と1975年にそれぞれ再映画化、65年と86年にはTVドラマ化されています。定番コンテンツとも言えますが、それ以降には映像化されていない。時代にそぐわなくなったのか。この辺、機会があれば、観比べて比較してみたいところですね。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月7日