2018年:今年のベスト映画10本(外国映画部門)
今年は結局、邦画洋画新旧重複合わせて432本鑑賞しまして(BD/配信/TVで鑑賞したものは除く(^^;;)、その内、ベスト映画(外国映画部門)10本はこちら……。
※順番は鑑賞順です。
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『バーフバリ 王の凱旋』(インド)
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『悪女 AKUJO』(韓国)
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『タクシー運転手 約束は海を越えて』(韓国)
2017年韓国No.1大ヒット!『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』 本予告
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『ラッカは静かに虐殺されている』(米国)
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『ラジオ・コバニ』(オランダ)
廃墟と化したシリアの街でラジオ局を立ち上げたクルド人女子大生を追ったドキュメンタリー映画『ラジオ・コバニ』予告編
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『ウインド・リバー』(米国)
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『1987、ある闘いの真実』(韓国)
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『オペレーション:レッド・シー』(中国・モロッコ)
命を懸けて救い出す。 『オペレーション:レッド・シー』 予告
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『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(タイ)
映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』予告篇|9.22(土)新宿武蔵野館ほか全国順次公開
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『ブラックメール』(インド)
Official Trailer: Blackमेल | Irrfan Khan | Abhinay Deo | 6th April 2018
監督:アブヒメイ・デオ
主演:イルファン・カーン、キルス・カラハリ、アルノーデイ・シン
2018年/インド/ヒンディー語/137分
原題:BLACKMAIL
結局、ハリウッド作品は1本だけかあ。
『ボーダーライン ソルジャーズ・デイ』を入れるべきかどうか最後まで迷ったけど、テイラー・シェリダンは『ウインド・リバー』を入れたのと、落ちの若干の甘さ(「それがいいんじゃん!」という人もいるのは認めるけど)で諦めました。
あと10本に絞らなければ、『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』も入れてたと思う。
韓国映画は今年も手堅く、予算の高低に関わらずどれも高水準だったんですが、今年は民主化関連の映画2本が出来が良かったのと、ここに挙げてない作品も含めてミステリーの秀作が増えた印象。
日本のミステリー小説は、韓国で映画化してもらった方がいいんじゃないか(^^;;
逆に言うと、バイオレンス&ノワール系はちょっと数を減らしてきているのかな。
それ以外では、SF映画、それも大作ではなくランキングには挙げづらいけど気の利いた小品がちょこちょこありました。
あと時代劇ものもコンスタントに面白いしなあ。
むしろ、そのオールラウンドにハズレのなさがムカつくという。<毎年言ってますけどね(^^;;
インド映画は、『バーフバリ 王の凱旋』 の成功を受けてか、日本での一般化が進んだ一年だったように思います。
『パッドマン 5億人の女性を救った男』も好評ですし、年明けには『バジュランギおじさんと、小さな迷子』が待ってる。
ただ渋谷を拠点としてきたインド映画の祭典IFFJが、キネカ大森を拠点とするとICWと事実上分裂し、エンタメ色の強い作品がそっちに行ってしまいました。双方合わせると公開本数は増えてるんですが、自分の生活圏的に大森に毎日通う余裕はないス……orz
Netflixで未公開のインド映画を結構扱ってるので、そっちで補いますかね。
香港映画は、ほぼ中国映画に吸収されちゃってるわけですが、それもあってか『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』や『オペレーション:レッド・シー』のように人民解放軍万歳なプロパガンダ映画も完成度が高くなってきました。
つか、ダンテ・ラム監督の『オペレーション:レッド・シー』に至ってはプロパガンダの目的を逸脱して、サム・ペキンパーの『戦争のはらわた』の凄惨さに肉薄しつつあり、プロパガンダも反戦も紙一重という恐ろしいことになってます(^^;;
一方でここには挙げませんでしたが、オタク系青春映画『閃光少女』などを観る限り、マンガ原作系青春映画(いわゆるスウィーツ映画(^^;;)のテーマ性や表現手法は、東アジア全般に普及した普遍的な手法となってきており、このジャンルでの相互交流が広がるんじゃないかという期待を抱かせます。
この他に、来年はミステリー映画の『迫り来る嵐』なども控えており、もうちょっと幅広いジャンルでクオリティの底上げが見られるんじゃないでしょうかね。
後は、『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』に代表されるタイ映画……と言うか、音楽等を含めたタイ・カルチャーを日本が再発見した一年でした。
向こうにはアイドル文化だってあるわけで、この辺の日本との「社会の同質性」を交流の基盤にしつつ、異質な部分を互いにリスペクトし合えるような関係に盛り上がっていければいいですね。
最後にドキュメンタリーの『ラッカは静かに虐殺されている』『ラジオ・コバニ』、イラン映画『ダマスカス』のように、シリア紛争を題材にした映画が日本に届くようになりました。
いずれも遠い異国の戦争として済ますことなく、私たちの社会と地続きの「現代性」に戦慄し、注意を払うべきなのでしょう。
明日は今年のベスト映画(邦画部門)の予定です。
お楽しみに。