『人斬り与太 狂犬三兄弟』@国立映画アーカイブ(19/04/28(sun)鑑賞)
東映映画『人斬り与太 狂犬三兄弟』深作欣二監督初期の傑作 Japanese movie
本日の映画3本目『人斬り与太 狂犬三兄弟』@国立映画アーカイブに劇場入りしました。1972年公開。深作欣二監督、菅原文太主演。いよいよ『仁義なき戦い』直前、東映ヤクザ映画になにが起きつつあったのか。ちなみに前作『現代やくざ 人斬り与太』とは別に世界観繋がってないそうで(^^;; #fr19_n
— 義忠@夏コミ申込み中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 28, 2019
『人斬り与太 狂犬三兄弟』観終わりました。「ラストで殴り込みをかける」という所だけで、かろうじて任侠映画の枠組みを維持しながら、任侠映画のカタルシスへ通づる流れを徹頭徹尾否定するアンチ・カタルシス映画。なるほど、これが『仁義なき戦い』に繋がってくわけね。#fr19_n
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『人斬り与太 狂犬三兄弟』:敵対する組長を襲撃殺害して6年の刑期を終えた権藤(菅原文太)だったが、出所の出迎えに来たのは弟分の大野(田中邦衛)のみ。おまけに対立していたライバルの組とは服役中に手打ちが成立しており、「揉め事を起こすな」と釘を刺される。#fr19_n
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『人斬り与太 狂犬三兄弟』:言われたその晩にまず揉め事を起こし(爆、軍資金がなくなったので組のシノギから勝手に金を摘んで怒られ(そりゃそうだ)、隠れて売春宿をやってたバーを乗っ取って荒稼ぎして、売春防止法で摘発されそうになり「組に迷惑かけるな」と怒られる。…最悪だ、コイツら。#fr19_n
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『人斬り与太 狂犬三兄弟』:基本、対立組織にムカついてるのと、先の事を考える頭がないので、すべてが対立組織にちょっかいをかけて所属する組に迷惑をかける方向にしか作用せず、かつ反省はない(爆 当然のように、狂犬扱いされて、どんどん追い詰められてゆく。#fr19_n
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『人斬り与太 狂犬三兄弟』:かろうじて残っている任侠映画のフレームに導かれるように、次々に仲間を失い、「殴り込み」へと物語は収束してゆく。でも、だいたい自業自得だしなあ(-o-;; おまけに殴り込みの軍資金作りに弟分の家に立ち寄ったら、弟分が家族に撲殺され(爆 #fr19_n
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『人斬り与太 狂犬三兄弟』:およそ任侠映画でクライマックスの殴り込みがここまでダウナーな映画はないというくらいの落ち込んだテンションで殴り込み(その先もなあ(-o-;;)、ラストは野良犬のように追い回されて、無惨に撃ち殺される。まあこのシリーズ、だいたい落ち一緒みたいだけど。#fr19_n
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『人斬り与太 狂犬三兄弟』:およそ任侠映画で場を盛り上げるために開発されたであろう、様々なシチュエーションの数々を無様に脱臼させ、カタルシスに繋げさせない。主人公は瞬間的な欲望や衝動に衝き動かされ、頭が悪く、任侠映画の主人公らしい高貴さは微塵もない。#fr19_n
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『人斬り与太 狂犬三兄弟』:任侠映画を解体する、あるいは内側からハックして別の「何か」に作り変えるミッションの存在が伺われる。と言うか、シリーズ前作も「アレ」なんで、この『現代やくざ』シリーズ全体がそうだったのかもしれない。#fr19_n
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『人斬り与太 狂犬三兄弟』:で、ストーリー的にはそういう無惨な結末を迎え、ラストで垣間見える主人公・菅原文太の苦悶に満ちたデスマスクとか夢に見そうではあるのだけど(-o-;;、そんな「辛い」「苦しい」だけの印象の映画でもないです。……まあ、主人公バカだからなあ。#fr19_n
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『人斬り与太 狂犬三兄弟』:それと主人公は見たとおり、ドライブのかかった真性のどクズなわけだけど、気がついたら社会的に詰んでるとか、逆恨みで暴れたら更に状況悪化したとかは、普通に社会人してればある(と思うけど(^^;;)わけで、感情移入のチャネルはか細くても存在しているしね。#fr19_n
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『人斬り与太 狂犬三兄弟』:そして、クズはクズなりに、カンダダが気まぐれで蜘蛛に情けを掛けた程度には、優しさを示すのね。それで主人公が何か救われたわけでもないけど、では他に救われた誰かがいるのかどうか。その解釈次第で、観終わった後の後味が違ってきそうではある。#fr19_n
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『人斬り与太 狂犬三兄弟』:こうした任侠映画の換骨奪胎が深作欣二ひとりの仕事だとは言わないし、時代劇を社会リアリズム的に捉え直した残酷時代劇とかの先例もあるので、突然変異的にここで発生したものではないにせよ、この流れは実録抗争ものの『仁義なき戦い』へと着実に繋がってゆく。#fr19_n
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『人斬り与太 狂犬三兄弟』:そんなわけで、プレ『仁義なき戦い』に位置する作品群として、3作品をまとめて観たことで、欠けてたピースが一気に埋まったようでスッキリ(^^) というか、『現代やくざ』シリーズの残りもどこかで観とかないとなあ。#fr19_n
— 義忠@夏コミ申込み中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年4月28日
■監督フィルモグラフィ:深作欣二 (1930年~2003年)
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