『メランコリック』@アップリンク吉祥寺(19/08/15(thu)鑑賞)
本日の映画1本目『メランコリック』@アップリンク吉祥寺に劇場入りしました。営業終了後に殺人現場として貸し出されている銭湯と、その秘密を知ってしまったアルバイト青年のブラックでシニカルなミステリー。ポスト『カメ止め』とも一部で評判なようですが、さて。#fr19_n pic.twitter.com/hRHmddrUgY 『メランコリック』観終わりました。ジョン・ウィック銭湯のお話(爆 舞台の銭湯は殺人の現場となるだけでなく、殺し屋とワンセットで後始末まで引き受けるワンストップ・サービスというw なので、地方都市の殺し屋コミュニティものなんだけど、それが田舎の青春ドラマの磁場に落としこまれる。#fr19_n 『メランコリック』:東大出ながら実家に住みでバイトを転々としている青年・鍋岡は、家の事情でたまたま訪れた銭湯で高校時代のクラスメートの副島さんに出会う。彼女がちょくちょく利用してると聞いた彼は、銭湯のバイト募集に応募。金髪のちゃらい松本くんとともに採用される。#fr19_n 『メランコリック』:店長の東さん、先輩の小寺さんの下、銭湯の仕事に勤しむ鍋岡青年。副島さんとの交際も順調で、万事上手くゆくかに見えたその矢先、営業終了後に灯りがついている事に気づいた彼が風呂場を覗き見ると、屍体を前に東さんと小寺さんが話をしている場面を目撃してしまう。#fr19_n 『メランコリック』:この銭湯では、小寺さんが拉致してきた標的を風呂場で殺害し、遺体や遺留品をボイラーで焼却して証拠隠滅。パーフェクトなビジネスだが、見られたとあっては、協力するか殺されるか選べ…。当然協力する方を選ぶ鍋岡青年。つか、その仕事にも慣れて、日常化してゆく日々。#fr19_n 『メランコリック』:その内、東さんが松本くんにだけ別な指示してたり、ちょいちょい松本くんが仕事抜けたりしてるのに、「もしかして舐められてんのかなあ」とか微妙な不満を募らせていた矢先、小寺さんが出先で追った傷で死亡。事態は風雲急を告げ始めた……というお話。#fr19_n 『メランコリック』:そんなわけで、どことも知れない地方都市を舞台にした『ジョン・ウィック』的な殺し屋コミュニティものなんですが、それが「銭湯」に象徴される日本の日常の風景に見事に落とし込んで、最終的に日常によって解毒されてゆくという映画。#fr19_n 『メランコリック』:まあ、あくまでインディペンデント映画のスケールなので、切れのいい近接格闘戦(CQB)描写があるとはいっても、ボリューム的にはちょいと喰い足りない。でもこの映画の最大の美点は、非日常の最たる殺し屋の世界を、地方の日常の中に落とし込む圧倒的な見事さですよ。#fr19_n 『メランコリック』:そこは、主人公の冴えないボンクラ青年・鍋島くん役であり、本作のプロデューサーでもある皆川暢二の圧倒的な日常感。銭湯の殺人ビジネスのど真ん中に放り込まれても、彼がそこにいるとすぐにそれが日常と化してしまう。つか、少しは危機感持てと作中でも怒られるw #fr19_n 『メランコリック』:それでも最後までボンクラを貫いて(勿論、そこに信念などなく)、結局、銭湯を彼の「日常」へと引きずり込んでしまう。いや、凄惨な戦闘や殺人の後でも、この鍋岡青年との会話のペースとか空気感が日常的過ぎて、緊張感が続かなくて(爆 #fr19_n 『メランコリック』:最終的に『ジョン・ウィック』は殺し屋世界に引き戻されるけど、本作は日常が勝つw なんか、非常に日本的なアクションというか、バイオレンスの在り様で、素朴に凄いもん観たなと思いましたよ。ギャグに振るにせよ、他の国でやるともっとエキセントリックになったろうし。#fr19_n 『メランコリック』:低予算インディーズ映画で、国内外の映画祭で評判になった点などで『カメラを止めるな!』を彷彿とさせる向きもあるようですが、方向性としては全然別の作品です。でも、初長編映画でこの出来なのは、邦画インディーズ界隈の豊かさを示す作品なのは間違いない。#fr19_n 『メランコリック』:正直、メジャーでちゃんと制作費にお金かけてアクションとか強化して、それでもぬけぬけと日常に回帰するリメイクを観てみたい(^^;; そんな気にさせる映画です。上映館は限られてますが、機会がある方は是非。#fr19_n