『続大番 風雲篇』@ラピュタ阿佐ヶ谷(19/09/08(sun)鑑賞)
北上次郎選「昭和エンターテインメント叢書」(2)大番 上 (小学館文庫)
- 作者: 獅子文六
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/04/06
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北上次郎選「昭和エンターテインメント叢書」(2)大番 下 (小学館文庫)
- 作者: 獅子文六
- 出版社/メーカー: 小学館
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本日の映画『続大番 風雲篇』@ラピュタ阿佐ヶ谷に劇場入りしました。1957年公開。前作ラストで相場で擦って都落ちした主人公。実家の高知に引きこもって捲土重来…というお話。まあ昭和初期の戦争の季節を上手いこと切り抜けた相場師の話、と捉えると単純な立身出世話で済ますべきかという。#fr19_n pic.twitter.com/7dv0zF66L7
— 義忠@夏コミ申込み中「物語工房」 (@yoshitada_n) September 8, 2019
『続大番 風雲篇』観終わってのレビュー。田舎で半年ほどほとぼり冷まして東京に戻ってきた主人公。損害を与えた顧客に頭を下げて、再びフリーの注文取りから仕事を再開。その後、師匠筋の相場師の仕掛けた仕手戦に参加して巨額の利益を上げるがその先に大暴落が待っていた…というお話。#fr19_n
— 義忠@夏コミ申込み中「物語工房」 (@yoshitada_n) September 8, 2019
『続大番 風雲篇』:田舎の高知に引きこもって、新しいビジネスでも始めるかと思ったら、半年間田舎で散財してお大尽生活をして、友人から「東京の顧客の怒りがそろそろ収まりそう」と聞いてのこのこ戻ってくる、ただ図々しいだけだったという(爆 昭和の男の人生はこれが通用したのか(^^;; #fr19_n
— 義忠@夏コミ申込み中「物語工房」 (@yoshitada_n) September 8, 2019
『続大番 風雲篇』:基本的に顧客に与えた損害は、腰を低くして詫びて少額の返済は続けるという手で凌ぎ、それどころか口八丁と得意の愛嬌で新たな仕手戦に追加投資までさせる。相場師というか天性の詐欺師では?(^^;; まあ、相場の勝ち負けは相見互いという意識があったんでしょうね。#fr19_n
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『続大番 風雲篇』:それに加えて、女好きエピソードがどんどん酷い話になってきて、揉めるに決まってるのに、田舎から若い芸者の娘を連れてきて「友人の妹」で圧し通そうして内縁の奥さんにぶち切れられる(そりゃそうだ)など、破天荒というかこの無神経さは21世紀では通用しないよなあ。#fr19_n
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『続大番 風雲篇』:まあ、金にせよ女絡みにせよ、定期的に痛い目に遭ってはリセットされるので許容された面はあるのかな。相場の乱高下に合わせて、仕事も私生活もジェットコースターみたいにアップダウンする楽しさというか。あと、金に執着はするが、金払いはいいんだよね。#fr19_n
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『続大番 風雲篇』:作中時代、あるいは公開当時でも、主人公は日本人として規格外のキャラではあるんだけど、それでも昭和の社会人の理想像(とその限界)がほんのりと透けて見えるのが面白い。作中でもアウトなことには周囲から注意や警告がされるけど、意外なことがスルーされてたりw #fr19_n
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『続大番 風雲篇』:あと、主人公も周囲の相場師たちも、相場を数字でしか見ていないので、日中戦争の拡大を「軍需関連銘柄の買い動機」としか見ていない。なので、まったく屈託なく軍需銘柄の鐘紡(軍服などの需要で繊維関連は上げなので)の仕手戦に参加するわけです。#fr19_n
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『続大番 風雲篇』:ところが戦況の悪化により、日本は総力戦体制に突き進み、その挙句、統制経済に突入してしまったので、株価の大暴落を引き起こす。いや、原材料も商品価格も価格統制喰らってる市場で、当然企業利益も制約されるわけなんだから、株価なんか暴落するわな、という。#fr19_n
— 義忠@夏コミ申込み中「物語工房」 (@yoshitada_n) September 8, 2019
『続大番 風雲篇』:結局、作中の相場師たちには、これが自分たちが無邪気に軍需相場と戯れていた帰結だという自覚はないようなのだけど、それでも暴落による巨額の負債をを苦に、主人公の師匠筋の相場師が自殺し、さしもの主人公も作中初めて真剣に落ち込むことになります。#fr19_n
— 義忠@夏コミ申込み中「物語工房」 (@yoshitada_n) September 8, 2019
『続大番 風雲篇』:ちなみに当の本人は、愛人の経営する熱海の旅館にしけこんで、例によって負債を踏み倒す気満々だったので(^^;;、師匠の死もさることながら、「そんなもので相場師は死なねばならないのか」とショックを受けているようでもある。#fr19_n
— 義忠@夏コミ申込み中「物語工房」 (@yoshitada_n) September 8, 2019
『続大番 風雲篇』:そんなわけで、株価暴落で再びすってんてん。顧客の信用も失くし、師匠も死んで、とうとう「相場師辞める」宣言まで飛び出して、時代もいよいよ太平洋戦争へと突入する第三部へと続くのです。さて、どうなりますことやら。#fr19_n
— 義忠@夏コミ申込み中「物語工房」 (@yoshitada_n) September 8, 2019