『ザ・ファイブ・ブラッズ』@Netflix(20/06/14(sun)鑑賞)
Da 5 Bloods : Ending Explained (English Edition)
- 作者:Georges, Jean Baptiste
- 発売日: 2020/06/13
- メディア: Kindle版
『ザ・ファイブ・ブラッズ』@Netflixを観ています。ベトナム帰還兵のお爺ちゃん達4人の呑気な戦地巡り…実は戦場に隠したCIAの金塊を掘り起こすための旅だった。とここまでなら、ジャンクなBC級アクション映画になりそうだけど、監督がスパイク・リーなので、現代に真っ向正面から挑戦する。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年6月14日
『ザ・ファイブ・ブラッズ』:大枠はアクション映画だけど、その端々で出てくる言葉のひとつひとつが、1960年代の黒人公民権運動とベトナム戦争から発し、現代のBlack Lives Matterの運動へと繋がってゆく。人は歴史や政治とは無縁には生きてはゆけない、とでも言うように。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年6月14日
『ザ・ファイブ・ブラッズ』観終わりました。BC級の小ぶりな戦争アクション映画の枠組みに、米国史とベトナム史が交差して弾け飛んだ火花の輝きをすべて詰め込み、その光で現代を照射する。一瞬に閃く台詞や状況に歴史の奥行きが垣間見える。その意味で、非常にリッチな「映画」です。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年6月14日
『ザ・ファイブ・ブラッズ』:金塊発見後、地元のヤクザと揉めて撃ち合いになるとか、完全に低予算の戦争アクションで、何作かタイトル上げられなくもないけど(^^;; そこに米国社会の被抑圧者であり、軍事的尖兵として加害者でもあった黒人の憤怒を詰め込んでA級の映画に仕上げ直してくる。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年6月14日
『ザ・ファイブ・ブラッズ』:ベトナムを舞台にしたことで、単純に「黒人が米国社会(白人)に利用されたことへの告発」では済まなくて、「ベトナム人から見れば加害者である「米国」の一部」である事実も突きつけ、巨大な構造暴力下で魂を歪ませてしまう黒人の哀しみも描き出す。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年6月14日
『ザ・ファイブ・ブラッズ』:主人公たち帰還兵だけでなく、随行する若い息子とか、米国より先に支配者だったフランス人とか、視座の設計が多元的で、そこから自然と「歴史」が浮かび上がる。そこが凡百のBC級アクション映画と一線を画している。映画の「格」ってこういうとこに出るのか。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年6月14日
『ザ・ファイブ・ブラッズ』:とは言え、この映画の根幹は「憤怒」と「赦し」という感情ではあって、決して冷静な第三者視点で眺める映画ではない。でも、その「憤怒」の深さが、この多元的な視座の設計を貫くことで、「黒人の怒り」ではなく普遍的な「人間の業への怒り」にまで突き刺さる。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年6月14日
『ザ・ファイブ・ブラッズ』:ジャンクな映画の枠組みでも、才能と問題意識のある監督の手にかかると、観る者と社会に厳しく問いかける「名画」になるのだ、とまざまざと思い知らされる映画でした。Netflix作品でも劇場で観たい映画がまた一本増えちゃいましたねえ。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年6月14日