『二百三高地』@丸の内TOEI(20/08/22(sat)鑑賞)
映画【二百三高地】主題歌 ~『防人の詩(劇場公開版)歌詞付き』
本日の映画1本目『二百三高地』@丸の内TOEIに劇場入りしました。1980年公開。日露戦争旅順攻囲戦時の要衝203高地に挑む乃木第三軍の激闘を描く映画。コンクリートと機関銃で固めた近代要塞に歩兵主体で襲撃かけて、ゴリゴリ兵隊が損耗するのを眺める映画つーか(爆 劇場で観るには初かな。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月22日
『二百三高地』観終わりました。たっぷり3時間かけて、日露将兵がひたすら死にまくる映画だが、脚本家・笠原和夫の戦争映画仕事の集大成のような作品でもある。あと改めて劇場で観ると、乃木将軍を軍人としては非常に繊細な将軍として描いていて、それを皆で愛でる映画でもあるというか(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月22日
『二百三高地』:仲代達也演じる本作の乃木希典は、作戦準備段階から砲兵戦力が不足すると兵の損害が増えると指摘していて、その準備が揃わない内の総攻撃のは再三抵抗する。ただ北方の40万の露軍主力の捕捉殲滅を急ぐ満州軍とバルチック艦隊が来る前に旅順艦隊を潰したい海軍に押し切られる。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月22日
『二百三高地』:それで現場が要求するだけの砲弾や攻城資材を万難を排して掻き集めてくれるかというと、そんなことはなく(^^;;、物は送らないがスケジュールがつかえてるので、早く何とかしろ、とプレッシャーだけ現場に送るという、日本の組織あるあるがここでも展開される(爆 #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月22日
『二百三高地』:そんなわけで、乃木希典と第3軍司令部は、本作では決して無能には描かれていません。ただ常識的な軍事官僚集団であり、常識的な日本の組織人であり、それ故に不毛な歩兵突撃主体の総攻撃に度々追い込まれてゆく。このデッドロックを抜けるの、日本人には難しそう。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月22日
『二百三高地』:つか、増援の兵力もなく、砲弾の補給もなく、第3軍の手持ちの兵力に、参謀長を児玉源太郎に変えただけで、戦局がひっくり返るのは何なんだ、と(爆 まあ児玉の作戦家としての頭の切れが異常なんだよね。結局日本は、この才を組織的に育成することができずにいるのだけど。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月22日
『二百三高地』:戦時に彼我の作戦や兵力配備の穴を見抜いて、戦局をひっくり返すためだけの才能を、どうやって平時から選別・育成・保持し続けるのか、てのも、難しい問題だよな。平時の日本社会は、そういう才能嫌いそうだし。児玉の場合は、維新を経た明治政権だから成立したんだろうけど。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月22日
『二百三高地』:その辺の話はともかく、丹波哲郎演ずる児玉源太郎が、作戦家として旅順戦線を気にしつつ、維新以来の友人として乃木の心情を気にしつつ、「あいつが困ってるなら行ってやらにゃあならん」と駆けつけるのは、お前どっちのポジションからの発言だ(^^;;とか、非常にエモいです。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月22日
『二百三高地』:児玉が乃木から指揮権を奪うのをさしで詰めるとことか、映画的には非常に美味しいシーンですけど、結局、官僚機構のデッドロックを明治政権のファミリー的結束できわどく乗り切ったという話でもあって、そこが抜けると、当然の様にデットロックに陥るというのが昭和の日本か。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月22日
『二百三高地』:どうも「乃木主役でいく」というのは、東映からのオファー段階からだったそうで、それに笠原和夫が乗って本作が成立したとされています。そういうこともあって、明治天皇(三船敏郎)以下、政権や軍人たちが乃木にメロメロなのは、この映画の主題なのでしょうがないです(^^;; #fr20_n
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『二百三高地』:とは言え、「戦争映画」は将軍だけで成立するものではないので、もうひとつの軸として、徴兵されて戦場に送り込まれる市民兵たちの物語が描かれます。小学校の教師で少尉として任官するあおい輝彦を中心とするキャラたちで、凄惨な最前線の戦場を目撃するのは彼らの目線です。#fr20_n
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『二百三高地』:ここで興味深いのがあおい輝彦の役で、ロシア文学を通じてロシアに親近感を抱いている様な青年なんですが、戦場で次々と部下や同輩を殺され、やがてロシア兵絶対ぶっ殺すマンになってゆく(^^;; その行き着く先として、旅順要塞突入時にロシア兵と獣の様に掴み合って殺しあう。#fr20_n
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『二百三高地』:しかし、ロシア兵と相討ちのように斃れた彼の遺体は、敵であるロシア兵と抱き合うようであったという……。単純な愛憎を越えた非常に複雑な感情の入り混じる描き方で、この辺の旨さはさすがは笠原和夫脚本だと唸らされますね。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月22日
『二百三高地』:あと、徴兵された市民兵に、刺青ものの佐藤充がいるんだけど、この手の戦争映画で佐藤充がいてくれる安心感というか、安定感が素晴らしいですな(^^;; もう「佐藤充役」という役職で代々、継承していこう。市民兵同士の関係性とかキャラの立て方とかも、非常に濃密で良かった。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月22日
『二百三高地』:それとひたすら死に続ける日本兵。突撃から数十秒で大隊が消滅し、1日の総攻撃で師団が全滅する地獄。そして最大効率で殺人することだけを目的として建造された人口構築物……近代要塞の恐ろしさ。それを叩く28センチ砲他の日本軍重砲陣地よりの砲撃の嵐……。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月22日
『二百三高地』:特技監督としてわざわざ東宝から中野昭慶を呼んで描いた要塞攻略戦のスケール感は、その後の映画史的にも類例を見ません。まあ、このスケールの要塞戦自体が、映画になることが少ないけど(^^;; とは言え、キャストも東宝作品でお馴染みの顔が揃ってて、総力戦っぽいですな。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月22日
『二百三高地』:翌年1981年公開の『連合艦隊』に、東映ヤクザ映画のベテラン陣が参加していたように、もうこの時代になると、この規模の戦争映画を東映も東宝も単独で撮りきれなくなってきていたのか。とは言え、1970年代までの邦画の制作資源の総力戦とも言うべき豪華さでした。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月22日
『二百三高地』:正直、本作を含むこの時期の何作かを最後に、「戦争」を総体として捉え、作戦・戦域級のスケールで描く戦争映画は邦画では途絶えてしまいます。この後は、個人の戦争体験に依った作品が増えてゆく。そういう意味でも、最後の総力戦映画と言えるのかも。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月22日
『二百三高地』:自分らの世代は、本作をTVで観て、長じてレンタルビデオでも散々観てきた気がしてたけど、言われてみればちゃんと劇場で観てなかった(^^;; 日露の大砲撃戦を劇場の環境で堪能するだけでも大変に魅力的な映画ですので、機会がありましたら、是非。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月22日