『OURS』6月号
実はまだ全部に目を通していないので、総論レベルの講評を。
表紙は再アニメ化が発表された『HELLSING』。今月から中綴じから平綴じに移行し、値段も300円台だったこれまでから500円に値上げ。『月刊ウルトラ・ジャンプ』『月刊サンデーGX』といった、ハイエンド・オタク誌*1を明確なライバル誌とする競合圏(コンテスト・エリア)に乗り込んでゆくという姿勢を示したものと見ていいでしょう。
実はこの辺りのハイエンド・オタク誌マーケットは本来、『OURS』自身が切り拓いたはずなのだけど、いつの間にか脱落してしまっていた。主力となる看板作品がいずれ劣らぬ優れた作品ばかりとはいえ、どれも5年、10年選手ばかりというのは、やはり「ハイエンド」の雑誌とは言いづらいですわな。
このリニューアルを機に今号では、アニメ化もされた『クロノクルセイド』を堂々完結させたばかりの森山大輔を投入するなど、誌面刷新にかける編集部の意気込みも充分感じられるのだけど……。
う〜ん、雑誌全体で見るとこの新連載の『ワールドエンブリヨ』の「SF伝記ジュブナイル」って、既存連載の『カムナガラ』『朝霧の巫女』とジャンル的に被ってるのよね。
そこで次号では、新谷かおるのミリタリー物『RAISE』の投入ですよ。新雑誌の立ち上げ時や売り上げジリ貧の雑誌の建て直しにと請われれば否とはいえない、侠気あふれる新谷師匠であれば、きっと──って、そこまで酷い状況ってことでもあるのか、今の『OURS』はorz。
……本当に大丈夫なのかね。