『これが私の御主人様』第5話「親の遺産を受け継いで一人暮らしをしている思春期真っ只中の少年が世間の目が届かないのをいいことに広大な屋敷にいたいけな少女を囲って欲望の赴くままに自分の趣味の世界を作って奉仕させているという噂」
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2005/03/25
- メディア: DVD
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で、肝心のこの第5話はまだビデオの中で目を通していないのだけど、未見の方のために若干のフォローをしたいと思う。
この作品は、サブタイそのまんまの状況下にある男子中学生の主人公と、そこへメイドとして棲込みで働く家出少女の姉妹+クラスメート女子+ワニだかカバだか判らない変な生き物(笑)ポチの繰り広げるスラップスティック・コメディである。
主人公は家出姉妹の弱みに付け込んで──という点は表現として危ないところだが、主人公は姉妹への盗撮やらセクハラやらによる歪んだリビドーの充足の対価として、毎回毎回、(主に姉から)ボッコボコにされたり高価な調度品をぶち壊されたりするので、作品を通して観るとそれほど後味は悪くない。
いまさらりと「後味は悪くない」と書いたが、何故、そうなのか?
それは作中のパワーバランスが適度に分散しているので、登場人物間のコミュニケーションが決して一方通行になっていないからだ。金と雇用主の立場を振りかざして主人公がセクハラを迫れば、姉は暴力でそれを打ちのめす。その姉は妹のペースに振り廻され、クラスメートの安奈やポチに迫られると逃げ出すのがやっとだ。
そうした関係性の絶妙なバランスの中で、各自が各自の言いたいことを思いっきり主張しているので、単体のシーンとしては過激で観る側が引いてしまうような表現でも、繋げてみるとスラップスティックなドタバタにまぎれて一気に観れてしまう。
結論から言えば、たわいもないお色気ギャグだし、あえて分析してみせるほどの深いテーマ性もない。また、それは制作側の意図どおりでもあるだろう。
しかし、作品を構成する断片的なイメージだけを取り上げて、弾劾されねばならない酷い作品でもない。
そんなわけで、関係者各位におかれては、変な圧力にめげず頑張っていただきたい。
……いや、まぁ、少しはしおらしくした方がいいかも知らんけどね。