高遠るい『CYNTHIA THE MISSION』第1巻
CYNTHIA THE MISSION 1 (ZERO-SUM COMICS)
- 作者: 高遠るい
- 出版社/メーカー: スタジオディーエヌエー
- 発売日: 2005/02/25
- メディア: コミック
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高野果苗──メガネっ娘な女子高生。性格も素直なお嬢さん。ただし、第2の人格として、ワイヤーソウでチャイニーズマフィアを切り刻むシリアルキラーな「王子さま」を宿し、殺人代行業を営む。最近、人格移行がほとんどシームレスになりつつある。
久我阿頼耶(あらや)──華道久我天象流の継承者にして、幼稚園時代から暴力の悦びに目覚めていた喧嘩番長。性格は高飛車。BF……というか、宿命のライバルにタイトルランカーのプロボクサーがいる。
紫水遼(はるか)──シンシアと果苗のクラス担任を務める女教師。掛けられたものに殺人まで犯させる紫水流眩術を修めた邪眼の持ち主。
……ちなみにこの本作のヒロイン4人の内、殺人経験者が3人(爆)。
女性主人公の格闘バトル(キャットファイト)ものは最近では珍しくなくなってきているものの、ここまでアンダーグラウンドに踏み込んだ作品は珍しい。と言って、陰鬱なストーリーが延々と続くわけではなく、殺戮を終えて夜が明ければ、彼女達は何食わぬ顔で教室(日常)へと戻り、じゃれあうのである。
不思議な感覚だなぁ。
作者は『月姫』等のTYPE-MOON作品のアンソロ出身で、阿頼耶のデザインと性格設定は明らかに秋葉からの流れを汲んだものなのだが、殺人に対する倫理観の倒錯と平和な学園シーンとの共存は、まさしく奈須チルドレンを名乗るに相応しい。
今後はマンガでも小説でも、こういうTYPE-MOONフォロワーが増えてくるんでしょうな。
なお、お話的にはこの巻は顔見世興行的なエピソードが中心で、本格的なストーリーが動き出すのは恐らく次巻以降。
これも続きが楽しみなのだけど……掲載誌の『月刊コミックZERO-SUM増刊WORD』なんて、そんなどマイナーな雑誌までフォローできねぇよ(爆)。余計な増刊出すより『ZERO-SUM』本誌の知名度上げる方が先のような気もするのだが、そこにはいろんな大人の事情があるのだろう。
とりあえず、単行本は追いかけるつもりですけどね。