積読日記

新旧東西マイナー/メジャーの区別のない映画レビューと同人小説のブログ

■Twitter               ■Twilog

■小説を読もう!           ■BOOTH:物語工房
 
各種印刷・製本・CDプレス POPLS

『涼宮ハルヒの憂鬱』第5話「涼宮ハルヒの憂鬱III」

涼宮ハルヒの憂鬱 2 限定版 [DVD]

涼宮ハルヒの憂鬱 2 限定版 [DVD]

 放映話数では第5話だけどエピソード順で第3話。前々回の「憂鬱」編の続き。
 前々回の有希の告白から、朝比奈さん、古泉と、キョンが順番に電波な告白を受ける話。
 アニメでは前回の野球大会話で、この連中の口にしている話がすべてマジなジュヴナイルSFであることが既に示唆されているわけなのだけど、原作を最初読んだとき、このままガチに電波な人たちの話で突っ走るとばっかり思い込んでいました。次に登場するのは前世の縁(えにし)で結ばれたムーの戦士とか、ぐつぐつ沸騰する電波を感知して自動販売機をボコるパーサーカーだとか。砂浦俊一の同人誌の読みすぎです。本当にありがとうございました。
 でも、そういう解釈の同人誌もいいかもね。ハルヒ周辺でどんどん濃度を増してゆく電波に、キョンがだんだん己の正気を疑い始めるとか。いや、自分では絶対書かないけど。
 
 あと今回の話を観ていて、キョン視点の原作ではあっさり流されているハルヒの内面があまりに判りやすく表現されているのに驚いた(笑)。おそらく「キョンともっと楽しく過ごす」ためにでっち上げた「二組に分かれて市内パトロール」というルールなのに、二回も組みわけしてどっちも「外れ」を引いてしまったときの表情とかね。原作読んだときは、もっと微妙な表情で済ますのかと思ってたのだけど。
 そんなわけで、アニメの場合は演出として意図的に強調してきていることもあって、もう彼女の頭の中は視聴者にはすっかり丸判りなのだけど、肝心のキョンにだけは伝わらない。無口な同級生とか憧れの先輩から、次々と電波な告白を受けている真っ最中だからな。まぁ、判ったからといって対処に困るので、あえて意識しないようにしていたという可能性も捨てがたいのだけど。
 この辺の下りは、ある意味、この物語における涼宮ハルヒという女の子の魅力が凝縮されたシーンといっても過言ではなくて、エキセントリックなキャラよりも何よりも、キョンのとぼけた一人称の向う側に「自覚なき恋する乙女」たる彼女が七転八倒していると読み取れるかどうかで、ここから先の物語への印象ががらりと変わってくるんですよね。
 まぁ、実際にこの手の女の子と付き合うのは、確かにどえらく面倒くさいので、キョンの気持ちも判らなくもないな……。
 
 で、次は夏の孤島のミステリー。
 ……あの引きで、また1〜2週開ける気かよ。