積読日記

新旧東西マイナー/メジャーの区別のない映画レビューと同人小説のブログ

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石田敦子『わがまま戦隊ブルームハート! 2 (バーズコミックス)』

 街の平和を護る、かわいいかわいいオンナノコの戦隊もの──なんだけど、勿論、石田敦子らしい、イタい棘のあるお話になってきました。
 でも、ライバル戦隊に引き抜かれてどんどんダメな方に堕ちてゆくゆりちゃんより、この期に及んで自分なりの「正義の味方」像が揺らぎもしないのばらちゃんの方が、よほど物騒なものを抱えてそうなんですが、どうしたものでしょうか(爆)。
 
 でもま、「正義の味方」という「システム」が犠牲者を生んでゆくという構造への言及ってのは、明らかに乙女ちっくな戦隊マンガの領域を越えている気もするのだけど、しかし石田敦子だからこそ、ここでアクセルを踏み込んでくるよね、という話でもある。
 でも、本来、オンナノコ達ってのは、そういう生き物だったよな、とも思う。
 意味も判らず熱く無邪気に「正義」を叫んで校庭を駆け廻っていたオトコノコ達を、醒めた瞳で、けれどどこか羨ましそうな眼差しで眺めていた彼女達が、いざ自ら「正義の味方」を演ずることになったなら、その醒めた眼差しが自分たち自身の姿へと向けられることになるのは、当然といえば当然なのだろう。
 オンナノコってのは大変だなぁ、と思う反面、オトコノコよりもよほど深い眼差しで世界を眺めていることを思い、単純無邪気なオトコノコのひとりとしては、その眼差しに怯えつつ、ただただ畏れ敬うのみなのである。