積読日記

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図書館革命


 昨日も触れたリストア企画絡みで企業の対テロ危機管理について調べておく必要があるため、地元府中の新しい中央図書館を訪ねました。

 この府中市中央図書館は、昨年12月に市民会館と一体となった建物に移ったばかり。広いフロアにゆったりと配置された書架は、まだ半分くらいはすかすかです。もともとスペースに余裕があることに加えて、別フロアの自動書庫に収めているものもかなりあるみたい。*1
 勿論、設備も一新され、もろもろハイテク化されています。

 たとえばこれ、自動貸出機。手前のガラス台に本を置くと、何の本かを素早く検知し、自分の図書館カードを挿入するだけで貸出処理を完了してくれるという優れ物。ICタグで検知してるので、重ねて置いてもOK。まさしく21世紀の図書館。あうあう。
 
 
 

 書籍検索システムは今時のシステムとしては、ちょっと作り込みが甘い。書名、著者名などの書誌情報で検索ってのは当然の機能なので良しとして、ジャンル検索で「社会・政治・軍事」で14,000件以上もの検索結果出されてどうしろと? もっと具体的なレベルまで絞り込みできるか、フリーキーワードでの検索ができなきゃ価値半減ですよ。
 まぁ、元からデータとして入力されてなければ、後からキーワードを入力するのは死ぬほど大変だろうけど。そちらの業界にいたので辛さはよく判る。
 しかし開発担当したのはどこかしら。Nさん? Fさん?
 
 で、この書籍検索システムから出力された用紙をカウンターに持ってゆくと、書庫にある本を自動的に探して持ってきてくれるそうで。日曜午後の込み具合で、待たされたのは15分くらいかな。
 そんなこんなで、今日は大泉光一 著『多国籍企業の危機管理―テロの脅威とその対応策』、山下範久 編『帝国論 (講談社選書メチエ)』、マーク・ボウデン 著『ホメイニ師の賓客〈上〉―イラン米大使館占拠事件と果てなき相克』『ホメイニ師の賓客〈下〉―イラン米大使館占拠事件と果てなき相克』の4冊を借りてきました。
 貸出し期間の2週間の間にはとても完全に読了できそうにないので、どれも流し読みで済ますつもりですけど。
 ちなみに、今時の図書館なので当然自前のサイトも持っていて、そこでは蔵書検索や貸出し延長、貸出し予約、勉強室などの予約といったものも受け付けているのだとか。
 
「さすが金持ってる自治体は違うなぁ」と感心して引き上げようとしたそこで、ふとカウンターに立つ職員の胸元に目をやると、「TRC(図書館流通センター)」の名前が。
 訊いてみると、皆、TRCから派遣されたスタッフらしい。
 TRCというのは、こうした図書館へ蔵書書籍を供給したり、書架や什器だとか、管理システムとかそこで使われる書誌データなんかを提供する会社なのだけど、とうとうスタッフの派遣までやるようになったのか。
 その場では詳しい話は訊けなかったのだけど、ここここによると、どうもスタッフ派遣というより、PFI(Private Finance Initiative )事業として大林組が主幹企業で請けて、そこにTRCが参加しているらしい。下請けというより、JV(ジョイントベンチャー)っぽいな。大林組が建設して、管理・運用サービスをまるごとTRCか。ふむふむ。
 公共サービスアウトソーシング化という意味でも、いかにも「21世紀の図書館」だ。こういうところで予算を抑えてるのね。
 まぁ、職員の直接雇用とか第3セクターなんかで地元に直接金が落ちなくても構わないくらい、市民が裕福だという言い方もできなくはないのだけれど。
 う〜む。
 
 ちなみに府中市は昨日、市長選の公示日でした。
■毎日.jp:選挙:今年の予定 八王子、府中両市長選で幕開け 3区長、5市長など計13 /東京
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20080104ddlk13010068000c.html
 こうしたことも勘案しつつ、大切な一票を行使しましょう。

*1:後で調べると、現状の所蔵冊数については不明ながら、地下の自動書庫だけで70万冊まで収納可能だそうで。