『バンブーブレードDVD 一本目』
- 出版社/メーカー: JVCエンタテインメント
- 発売日: 2008/01/23
- メディア: DVD
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疲れ果てて帰ってみれば、密林さんから『バンブーブレードDVD 一本目』が届いていたですよ。
いやぁ、これで頑張れますよ。明日も頑張って生きていこう、うん。<人生があまりに安すぎる。
さて、昨年秋からのクールで実は一番に推しているのがこの作品。
脚本・倉田英之に監督・斉藤 久で制作はAIC A.S.T.A. という『ガン×ソード』の制作チームが手掛ける女子剣道部アニメで、一見王道、だけど要所要所でちょっとづつ外して、しかして燃える勘所は全力で王道を突き進むそのスタイルが熱量充実でいい感じです。
特にポイントとなるのはその「外して」いるところなのだけど、例えばこの作品の主人公は部員の女の子達だけでなく顧問の先生で、往々にしてヘタレでゆるゆるで自分勝手な彼の存在が物語の駆動力として剣道部を引っ張ってゆく。また、それぞれのキャラもちょっとづつ「変」に出来ていて、それがまた妙に生々しくて実際にその辺にいそうな「変」さなんだよね。
例えばクールで無口で無敵な腕前の剣道少女のヒロイン珠姫は、実はアニメ特撮オタクで「正義の味方」に憧れる静かな熱血漢。2年で部長の紀梨乃は陽気で熱血な体育会系美少女の一方で、物語開始当初は乱暴な2年男子の暴力にどこか諦観を持って接していた感がある。3人目のミヤミヤこと都はぱっと見、目を惹く美少女なのに、団クンという落書きみたいな造形の1年男子キャラになぜかベタぼれで、実はブラックな不良少女だったり。4人目の2年生、サヤは直情径行、何にでも飛びついて3日で自分の才能に絶望して飛び出すくせに、どの趣味も諦めずにずるずる続けているところを見ると意外と諦めの悪い性格らしい。
そして5人目は……っと、DVDではまだまだ先に出てくるキャラなので詳しくは触れないけど、これまた妙なキャラ設計の女の子だ。
このどの娘も矛盾の塊のようなキャラ設計が、それぞれのキャラクターに強い生命力を与えているのだろう。
アニメでは、この辺の原作の筋の良さをしっかり拾って伸ばす方向で演出が設計されているのが好感触。
特にこの巻に収録された第1話、第2話では、話の筋や台詞をほとんど原作通りに作り込みながら、ちょっとだけシーンを追加したりずらしたりすることで、その良さを際立たせることに成功している。いやぁ、あまりにさりげないシーンばかりだったので、指摘されるまでほとんど気づかなかったけども。
それにやっぱり剣道シーンですよ。
作画陣がかなり研究して望んだらしく、足捌きから身体の動きまで、しっかりと動いているのが素晴らしい。勿論、アニメ的なデフォルメもあるだろうけど、それも普段からちゃんと動かしていればこそですよ。
この辺が原作ファンからほとんど文句の出ない理由のひとつなのでしょうね。
そんなわけで、この秋冬シーズンの作品中、唯一、全話DVD購入を決めた作品です。
本放送分はこれからの終盤はオリジナル・パートに突入してゆくようですけど、さて、アニメ版ではどう締めてくれますでしょうか。
原作はあれこれ伏線張ってる割には、ここにきて展開が遅くて、すっかりのんびりモードに入っちゃってますからねぇ。
さてさて。