江畑謙介『軍事とロジスティクス』
- 作者: 江畑謙介
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2008/03/27
- メディア: 単行本
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何だかんだ言って、こうした最新の軍事情勢について定期的に本を出してくれる著者はありがたい。
お値段は……まぁ、新書並みとはいかないが、この内容でこの値段というのは、この手の分野のガチな専門書と比べれば随分と手頃ではある。この辺は、湾岸戦争以来の固定客が付いてる江畑謙介だからこそではあるのよね。
で、今日買ったばかりだし、今は『「中国問題」の内幕 (ちくま新書)』の方を優先して読んでいるので、まだチラ見しかしていないのだけど、RFIDタグ(無線タグ)を多用してまさに革命的に兵站活動の効率を向上させた米軍の実例を中心に本書は構成されている。
だが、ここで語られている「軍事ロジスティックスにおける革命(Revolution in Military Logistics: RML)」は、単に軍事だけの問題ではなく、民間や政府・自治体なども含めた社会全体における情報と物流の在り方そのものを揺さぶる重大な事態なのだ。
勿論、それはあらゆる「革命」がそうであるように、単純に良い方向ばかりに作用する話ではないだろう。
であれば、その効用と限界は、もっとも過酷な戦場でこそ明らかになっているはずだ。
その意味で、単純なミリオタ的な好奇心以上に興味深い題材ではあるのだ。
とは言うものの、この分野に関してはマーチン・ファンクレフェルトの古典的名著『補給戦―何が勝敗を決定するのか (中公文庫BIBLIO)』がまだナポレオン戦争手前までのところで手が止まってるしで、果たしていつ読めるものか……。
でも、RFIDタグについては本業でもいつか使いたいと思っているので、なるべく運用事例なんかは押さえておきたいところなのだけど。
まぁ、頑張って一冊づつ積読本を片付けていきますよ。