義忠『彼女の戰い』第8回:まえがき
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■義忠『彼女の戰い』第0〜2回:まえがき
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20080316#1205650198
■義忠『彼女の戰い』第0回:本編
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20080316#1205650199
■義忠『彼女の戰い』第1回:本編
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20080316#1205650200
■義忠『彼女の戰い』第2回:本編
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20080316#1205650201
■義忠『彼女の戰い』第3回:まえがき
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20080323#1206270012
■義忠『彼女の戰い』第3回:本編
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20080323#1206270013
■義忠『彼女の戰い』第4回:まえがき
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20080330#1206838984
■義忠『彼女の戰い』第4回:本編
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20080330#1206838985
■義忠『彼女の戰い』第5〜6回:まえがき
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20080406#1207464825
■義忠『彼女の戰い』第5回:本編
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20080406#1207464826
■義忠『彼女の戰い』第6回:本編
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20080406#1207464827
■義忠『彼女の戰い』第7回:まえがき
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20080413#1208067375
■義忠『彼女の戰い』第7回:本編
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20080413#1208067376
はい、そんなわけで『彼女の戰い』の連載、第6週目です。
前回からの続き、MAGIへのクラッキングのため端末にたどり着くまでのお話です。
まずは今週の言い訳。
端末までの道すがらケンスケがNERVと日本政府の関係について偉そうに講釈たれる中で、自分から民間施設への着弾を避ける砲弾の話が出てきます。いわゆる「知性化弾頭」の一種で、えーっと、何と申しましょうか、執筆当時の現代戦ものの架空戦記では流行ってましてですね(汗)。結局、10年経って「実在」はしているんだけど「実用化」はしていない、という結論になってます。
どういうことかといいますと、結局、弾体そのもののコストが高いだけでなく、データを入力する機材や人員の教育まで含めたコストも掛かる。おまけに、そもそも着弾点を検討し指定する行為自体が戦闘指揮上の情報処理タスクを増やす行為なので、よほどの必然性がない限り、そりゃあ導入には踏み切れないですわなぁ、ということです。冷戦後、どこの軍隊も正面装備費削られてますしねぇ……。
あと、我が陸上自衛隊の特科部隊には大砲をライフルのように扱う方が、何人かお出でのようでしてですね(爆)。複数の元自衛隊員のチャネルから聞いている話なのでどうも事実らしいんですけど、演習で標的に初弾命中かます方がいるとかいないとか。……いや、それ、もう大砲の使い方じゃないから(はは)。
そんな技術が伝統芸のように継承されているんなら、知性化弾頭なんかいらんわなぁ……。
それとMAGI-IIIへのクラッキングのための端末にワークステーションが出てきますが、これもPS3を複数台繋いでスパコンとして米軍に納品しようかという業者もいるご時勢ですので、今からするとちと表現が大げさ。相手のセキュリティ状況に合わせて、リアルタイムに侵入プログラムを書き換えて、都度、力づくでコンパイルして次々にぶつけるようなことでもやってたのかしらん。まぁ、その辺のセキュリティ突破の処理そのものもMAGIオリジナルにやらせるつもりなら、極端な話、自作PCで充分だったかもしれず。
……これも、たいがい言ったらお終いな話だな。
で、今回のお話のキモは、NERVを取り捲く政治的状況の不透明さで、結局、作者としては「そうそう簡単に世界の全体像なんか見通せない」という辺りの居心地の悪ささえ伝われば良かったので、「事件の真相」なんてものは特に設定していません。
グローバリゼーションの深化は、単純に地域的な意味だけでなく、社会階層間や分野間の流動性を高め、相互に影響を及ぼす機会の増大をもたらしています。しかし、結局、人ひとりの認識力や情報処理能力には限界がありますから、個人の視点からすると社会に対する不透明感や理不尽さばかりが増大し、社会と自分との接続感を阻害する要因となっている。……。
ってのは、まぁ、原作自体からして強調されていた要素なので、その延長線上の描写なんですが、この辺に対する(あくまで個人的な)解決策の模索が実は本作のテーマ(たぶん、だった気がする)。
なので、これにどう落ちを着けたかは、続きをお楽しみに、ということで。
さて、次回はいよいよアスカとケンスケによるMAGIへのクラッキングが開始。だがそれは、アスカ自身の過去との対峙へと繋がってゆく……というお話。
乞う、ご期待。
さてさて。
さっぱりリアクションがありませんけど、今週もめげずに本作品のオフセット再版本の表紙等を描いていただける絵師様を大募集しております。
連絡先は例によって下のメアドへ。
では、本編をお楽しみください。