積読日記

新旧東西マイナー/メジャーの区別のない映画レビューと同人小説のブログ

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『TYPE-MOON (タイプムーン) エース 2008年 06月号 [雑誌]』

 ここにきて新作3本の発表に、劇場版『空の境界』のDVDリリースと第4章公開が来月からという諸々の状況を踏まえ、TYPE-MOON全作品の総括と新作情報、アンソロ・コミックなどで構成された特集号。
 そういや、PS2版の『フェイト/ステイナイト[レアルタ・ヌア] (通常版)』も角川だったけど、TYPE-MOONに角川の資本でも入ってるのかしら。
 まぁ、よその資本入れなくても、あそこは設立時から金には困ってなかったわけだけど。
 
 で、武内崇のインタビュー中で指摘されて気付いたけど、『月姫』発表から来年で10年になるのね。
 ふ、随分と差をつけられちまったな。<いや、「差」とかどうとかいう次元の問題では……。
 いや、まぁ、10年前から一貫してうだつが上がらない男のことはとりあえず措くとして、この10年でTYPE-MOONがやってきたこととその影響というのは、日本のオタク系サブカル界隈ではやはり大きいと思うのね。
 少なくともメジャータイトルを4〜5年に1本発表して、後はそのメディアミックスと次回作の仕込みで堂々と喰ってゆけるというビジネスモデルは、コンテンツ・メーカーとしてはこれ以上もない理想形なわけで。
 とは言え、「美少女ゲーム」という市場はそれ単体としては明らかに縮小傾向にあって、その中で、Nitro+やCIRCUSなんかが特に意識して始めているように、「美少女ゲーム」のメーカーが「ゲーム」という枠を越えた「物語」開発のシンクタンクみたいに機能し始めている。その領域にたどり着けないメーカーは、薄利多売の消耗戦から抜け出せない。……まぁ、薄利多売でちゃんと健全経営しているアリスソフトとかもあるけども。
 TYPE-MOON代表として武内崇ライトノベルを明確な仮想敵として捉えているのは、どこまで生臭い意味で言っているかどうかはともかく、「物語」の専門工房として競合関係にあることを強く自覚しているからでしょう。
 その意味で、今回、『Girl's Work』という形で身内以外のクリエイターに活躍の場を提供する試みは、非常に興味深い。
 この動きは、「美少女ゲームメーカーの話」としてではなく、「物語開発業界の話」として読み解いていかないと、意外な見落としをしでかしかねない。
 注目を要する動きです。
 
 とはいえ。
 そんな大作ゲーム、社会人がそうそうやってられないって。
 去年、レーベル解散で放出値段で買ったねこねこソフトの『スカーレット』も、序盤で止まってるのよねぇ。
 PS2版出るまでに終われるかしらん。<たぶん、無理。