『CLANNAD』全23話(TV放映分)
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2007/12/19
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……そうか、『らき☆すた』の柊姉妹の元ネタは、こっちの藤林姉妹だったのか。
まぁ、それはさておき。
主人公が行く先々でヒロイン達に出会ってゆく序盤のくだりとか、keyお得意の「アホの子」比率の高いヒロイン陣とか、これまたKeyお得意の抵抗なくファンタジー的存在を受け入れてる世界観とか、中盤以降の気がついたら主人公のハーレム状態となっている演劇部とか、いろいろ突っ込みどころはあるのだが、作画は最後のワンカットまで崩れないし、ギャグ演出の切れはいいし、泣かせるところはきっちり泣かせるしで、さすがは京アニというべきか、概ね良くできていたと思う。
本筋である渚ルートに、それ単体で完結している風子編とことみ編を無理やり押し込んでいるにしては、キャラの成長が本筋を壊さず、逆にむしろ補強するように機能させている箇所も見受けられ、この辺の演出技量の突出振りも京アニの凄みなのだよな。
とはいえ、ことみ編の中盤以降とかで主人公の親友の春原が割と都合よく存在感を消されていたりするなど、最初からストレートなストーリー構成であれば避けられていたような構成上の無理もあって、それが単体の作品としての完成度を損なう結果になってもいる。
この辺はゲーム原作からTVシリーズへの翻訳の難しさではあろう。
とは言え、2クール弱、23話も掛けて、しかしまだ話は前半戦。
原作でのこの先の展開はあえて措くにしても、主人公と父親との確執は何も解決していないし、「幻想世界」の扱いもネタ振りレベルでしかないし、風子は寝たきりのままだし(爆)。
そもそも本作のテーマである「家族」にしても、主人公はまだ「自分の家族」を作るところにさえ至ってない。
「『CLANAD』は人生」という大仰なコピーに見合う領域まで、まだまだ辿りつけてはいない。
ただ、ひとつの「家族」の姿をここまで腰を据えて描こうという試みは、近来のアニメにはなかった試みであることは間違いなく、秋(?)からの「アフター編」が今から楽しみだ。
で、以下はまったくの余談。
渚の両親の古河夫妻って、考えてみればたぶん自分と同年代なのよね(爆)。
「つかさは俺の娘」とか公言している某氏を笑えない……。