義忠『棺のクロエ1.5 花嫁強奪』第1&2回:まえがき
さんざんお待たせしましたが、ようやく連載開始です。
<帝国>の隣国<王国>の王女フェリアの結婚式が華やかに催されんとしたその直前、ヒュー・タム少佐は会場から彼女を連れ去った。<王国>親衛隊による王女暗殺を阻止するためと告げる少佐だったが──
さて、今回のお話は既に発表済みの『棺のクロエ1&2』のちょうど間の時期の出来事で、少佐主役の番外編。「棺」もどっちのクロエも出てきません。二人のクロエ達の冒険とは別に、こんな世界もあるんですよ、ということで。
で、今回は事件発生の第1話に、事件の背景を一気に語る第2話まで。第2話の説明がちと長いのですが、くどいと感じられた方は適当に読み流してください。
次回は全編ど派手なカーチェイスですので、ちょっとだけ我慢いただければ、と。
それで要するに<王国>ってのは、スイスみたいな国だとでも理解していただければ結構です。現実のスイスも、「永世中立」をうたいながら、WWIIでは膨大な軍需物資をドイツに輸出し、金融面で第三帝国を支えてしていました。まぁ、別にスイスでなくとも、大国のそばでしたたかに生きる小国の典型として捉えていただければな、と。
こういった国々との関係の中で繰り広げられる、様々なトラブルを解決するのが少佐の本来の任務です。決して口の悪いゴスロリ・サイボーグにいいように振り廻されるのが仕事ではないのです(笑)。
ちなみにこのお話。
とある方への結婚お祝い本への参加作品として企画されたお話だったりします。
……いきなり結婚式どころじゃなくなってますが(爆)。
え〜っと、まぁ、最後まで読んでいただくと、それなりに感ずるところは残るお話になるかと思いますので、呆れずに最後までお付き合いいただければ幸いです。
それでは、引き続き本編をお楽しみください。