義忠『棺のクロエ1.5 花嫁強奪』第8回:まえがき
■義忠『棺のクロエ1.5 花嫁強奪』第1&2回:まえがき
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20090609#1244559898
■義忠『棺のクロエ1.5 花嫁強奪』第1回:本編
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20090609#1244559899
■義忠『棺のクロエ1.5 花嫁強奪』第2回:本編
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20090609#1244559900
■義忠『棺のクロエ1.5 花嫁強奪』第3回:まえがき
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20090614#1244952601
■義忠『棺のクロエ1.5 花嫁強奪』第3回:本編
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20090614#1244952602
■義忠『棺のクロエ1.5 花嫁強奪』第4回:まえがき
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20090621#1245560162
■義忠『棺のクロエ1.5 花嫁強奪』第4回:本編
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20090621#1245560163
■義忠『棺のクロエ1.5 花嫁強奪』第5&6回:まえがき
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20090628#1246167065
■義忠『棺のクロエ1.5 花嫁強奪』第5回:本編
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20090628#1246167066
■義忠『棺のクロエ1.5 花嫁強奪』第6回:本編
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20090628#1246167067
■義忠『棺のクロエ1.5 花嫁強奪』第7回:まえがき
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20090705#1246764170
■義忠『棺のクロエ1.5 花嫁強奪』第7回:本編
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20090705#1246764171
連載第6回目。
少佐による第1山岳混成小隊の殲滅──「戦争」を目の当たりにしたフェリアがある決意に至るお話です。
で、今回の解説は戦争観について。
国際政治のパワーポリティクスや軍事の視点で社会を眺めていると、「戦争」というのは国際社会のメカニズムの調整機能のひとつであり、一定の条件が揃えば自動的に発生するし、時には回避や抑止が行われることで余計な悲劇を生む場合さえあることが判ります。
その意味で、「戦争」や「軍事」にまつわる知識や政策をただ単純に否定しようとするいわゆる「平和主義」的な概念を、私はストレートには肯定しません。
その一方で「戦争」が「人が死ぬ/人を殺す」行為であることには間違いなく、それがどれほど政治的に「正しい戦争」であっても、人間が人間である以上、生理的嫌悪を抱いて当然だし、また抱くべきであるとも思います。
本作では少佐が前者を、後者をフェリアが代弁しているわけなんですが、どっちが正しいと結論付けるつもりは、作者にはないんですよね。むしろ「どっちも正しい」と思っているから。
ただ、社会を構造化されたメカニズムとしてだけでしか理解できていないと、そこに生きる人々の生理感覚が見えてこなくて道を誤りかねない。どんなカリスマ政治家も皆が「嫌だ」という政策や戦争を長く続けることはできませんからね。
その一方で、目先の生理感覚にのみ振り廻されていると、戦略的に正しい判断や決断ができなくなる。
じゃあ、結局、どうすればいいのか?
この物語を通じてフェリアが下す決断は、割とその辺に対するひとつの回答となるのではないかと、作者としては思っています。
次回は全滅した第1山岳混成小隊の惨状を前にした、シラン大尉とホルト中尉の対話のエピソードです。
乞うご期待。