『青い花』全11話
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2009/10/23
- メディア: DVD
- 購入: 3人 クリック: 219回
- この商品を含むブログ (69件) を見る
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2009/11/25
- メディア: DVD
- 購入: 3人 クリック: 24回
- この商品を含むブログ (24件) を見る
- 作者: 志村貴子
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2005/12/15
- メディア: コミック
- 購入: 18人 クリック: 156回
- この商品を含むブログ (486件) を見る
- 作者: 志村貴子,藤が谷女学院新聞部
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2009/09
- メディア: コミック
- 購入: 6人 クリック: 35回
- この商品を含むブログ (36件) を見る
いや、公式読本の巻頭に、主人公の中の人である高部あいのグラビアが載ってるのだけど、空恐ろしいくらい作中のイメージそのまんまの文学メガネ少女振りで、ちょっとくらっときて(笑)。
で、実は「百合物」ってもともと苦手で、ほとんど手を出してこなかったのだけど、本作はあんまり百合色は強く感じられず、その辺の抵抗はあまり感じなかった。どちらかというと、デビュー作の『敷居の住人』以来のいつもの志村貴子作品らしいというか。
それは今回アニメ化された原作1〜3巻辺りというのが、ヒロインのふみにアプローチを掛けてくる「王子様キャラ」の杉本先輩の話が中心になっていることが原因でもあるのだろう。ふみを振り廻す彼女だが、物語が進むにつれ、彼女が姉の婚約者との秘めた失恋を抱え、その寂しさからふみを求めていたことが判ってくる。
ふみの方はそもそも「異性と付き合う」という発想さえなさげなガチで百合なお嬢さんなのだけど(^_^A、周囲の人々は異性愛/同性愛の違いを気にかけていないだけで、特に全体を通して「同性愛が素晴らしい」と主張しているわけでない。ただ「誰かを愛している人々」がそこにいる、というだけなのだ。
そこを焦点としていることが、ジェンダー的な視座のずれを越えて、間口の広さに繋っているように思われる。
個別のキャラ的には、いかにも文学少女的な面倒臭さの固まりであるヒロインのふみもいいのだけど、クールな「王子様キャラ」を装いながら、誰よりも乙女で誰よりも面倒臭い杉本先輩がポイント。
それと男性キャラ陣も、いろいろな葛藤を黙って呑みこんで、優しくヒロイン達を見守る男前っぷりが頼もしい。
最後にアニメ版のスタッフも監督に『ハチミツとクローバー』のカサヰケンイチ、脚本に『WXIII 機動警察パトレイバー』(監督)、『よみがえる空 -RESCUE WINGS-』(脚本)の高山文彦。加えてOP演出に、どうも何話か別名で本篇演出も手がけている幾原邦彦と強力な布陣。
つか、幾原邦彦はそろそろ監督作品が観たいぞ。
実力派揃いのスタッフによって、丁寧な演出の積み重ねで描かれる、古都・鎌倉を舞台とした恋物語。
機会があれば、是非。