積読日記

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2014年度2月分総評

2月の鑑賞本数は19本。
この月のMVPは韓国映画『新しき世界』になります。

新しき世界 [Blu-ray]

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『新しき世界』予告編 - YouTube
 
まず『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側で!』の2回目を観に行ってるんですが、勿論、それは対象外としてw
この月は、 マーティン・スコセッシ監督&レオナルド・ディカプリオ主演でインチキ証券詐欺師の破天荒な底抜け成上り&転落譚『ウルフ・オブ・ウォールストリート』、70年代のF1界の伝説のライバル、ジェームス・ハントニキ・ラウダの二人の関係を少年マンガ的熱量で描く『ラッシュ プライドと友情』、ボン・ジュノ監督の弾丸列車革命SF『スノーピアサー』など。
ああ、『モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE 亜空の深淵』と『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』もこの月でした。
そんなわけで、佳作揃いだった2月だったんですが、最終的に『新しき世界』としました。
 
冒頭いきなり、底冷えのする拷問描写(コンクリート飲ませて沈めるのは、あかん。あかんて……ううっ)から始まるハードな男の世界を描いた潜入捜査官ものなんですが、実は監督は女性で、ツボを心得たブロマンス描写が本邦のご婦人方のハートを見事に射抜き、その筋方面で深く静かにヒットしているという作品です。
自分は男性なのでその辺の機微は良く判らんのですがw、裏切りと叛逆が横行し、殺るか殺られるかの仁義なき命(タマ)の獲り合いを繰り広げる黒社会を背景に、その渦中にある潜入工作員と組織幹部の濃密な関係性(別にゲイ的に直接的な表現とかはないです、念のため)とか、男性から観ても充分に魅力的ですし。
実はちょっと前から、韓国映画でBL的なセンスの設定とか描写を含んだ作品がちょいちょい見受けられたんですよね。日本のBL作品を研究してる……と言うより、同じようにBL的なセンスを楽しむ土壌が向こうにもあるということなんでしょうな。
 
まぁ、BLとか関係なく、韓国の裏社会での、中国系と地元韓国系が対立しつつ手を組んでたり、その辺の距離感の話は本作で初めて触れたので、そういった部分も興味深かったです。
ハードな韓国ノワールとしても非常に完成度の高い作品ですので、この月のMVP作品と相成りました。